「はてなダイアラードラマ百選」

生きるための情熱としての殺人

生きるための情熱としての殺人 Vol.1 [DVD]

生きるための情熱としての殺人 Vol.1 [DVD]

2001/7/6 〜 2001/9/21放送
テレビ朝日系 金曜ナイトドラマ
原作 林秀彦生きるための情熱としての殺人」 
脚本 林誠人、田中江里夏
演出 六車俊治加門幾生 
主題歌 倉木麻衣「PERFECT CRIME」


キャスト
釈由美子とよた真帆高岡早紀横山めぐみ鈴木一真伊原剛志、宇野智史、佐藤康恵、立川宣子、布川敏和、大竹一重穂積隆信温水洋一 他


<ストーリー>
社長・階堂祐介(鈴木一真)の愛人に部長のポストを奪われた上原美津子(とよた真帆)、祐介の元恋人で彼から夫をあてがわれた三崎京子(高岡早紀)、ヤクザの車に傷をつけてしまい一千万の借金を背負うこととなってしまった大塚由佳里(横山めぐみ)。三人は祐介に復讐を誓い、金を巻き上げようと企む。そして祐介が強度のシスターコンプレックスだという情報をつかむ。しかし、その妹はすでに亡くなっていた。そんなある日、三人は祐介の妹・安奈(釈由美子)にそっくりな女・四条舞衣(釈由美子・二役)に出会う……

<はじめに>
実はこのドラマが、僕が連続ドラマにはまるきっかけのドラマだったんです。それまではドラマはチャンネルを回して、面白そうなのがやっていたら見る、程度でした。このドラマも例外ではなく、翌日が休みで、「暇だからなんかやってないかな〜」とチャンネルを回したら、このドラマがやっていたんです。それではまってしまったというわけなんですね〜。
ドラマ百選を書くにあたり、「カバチタレ!」とか「ケイゾク」とか、いっそのこと「やっぱり猫が好き」にしちゃおうかなーとか、面白かった作品は多々あり、迷ってたんです。でもこれらのドラマってきっとドラマ好きの方とかは絶対一度は見てる作品だと思うんですよね。それで、多分ほとんどの人があまり見ていなかった(レビューなどをされていなかった)作品で、面白かったのは……と考えて思いついたのが、このドラマでした。この異様に長ったらしい題名といい、粗の多い脚本といい、演出といい、一言で言っちゃえば「B級ドラマ」。よって、結構ツッコみ所も多かったりしますが、そこをツッコみながら見るのも楽しいかもしれません。見終わればその粗すら、いとしくなること必至。……多分。


<みどころ>
■脚本
今見ればきっと、「おいおい、どうしてそうなる?」とか「えー、ちょっと都合のいい行動させすぎじゃねーの?」と、思うことでしょう。でもそれを差っ引いても、充分に面白いドラマだったと記憶しています。きっと深夜帯だっていうのも大きかったんだろうなー。二転、三転するストーリーはまさに息を呑むというか。特に最終回は秀逸。何度も起こるどんでん返しに、あの爽快なラストは見事です。


■キャスト
とにかくみんなはまり役でした。魔性の女の釈由美子、クールなとよた真帆、情けない高岡早紀、お調子者の横山めぐみ、キレ者の伊原剛志、そしてド変態の鈴木一真……というわけで、一人ずつ語っていこうと思います。

・四条舞衣(釈由美子
この話の鍵を握るキーパーソン。釈由美子は当時は今ほどドラマの露出度は高くなく、バラエティでおバカっぷりをよく見せるアイドル、というイメージでした。なので当時はきっと演技に関してはほとんど素人である彼女を主演に置くということはきっと製作側にとっては大冒険だったはずなんです。しかし、彼女の周りのベテラン俳優陣の支えもあり、そして彼女はこのドラマですでに演技派女優の頭角を表していました。四条舞衣というキャラクターが釈由美子に思う以上にぴったりはまっていて、かなりの熱演。あと水着姿もお見事でした。

・上原美津子(とよた真帆
冷静的で頭脳派なお姉さま。もうこの姉御肌のとよた真帆に何度惚れそうになったか。一番社長を殴った人物でもあります。6話では、彼女の仲間思いの面も表れたり。でも実はちゃんと行動してるのは彼女と舞衣だけという……

・三崎京子(高岡早紀
いざとなるとすぐに弱音を吐くくせに、一番失敗を繰り返している女。もうそんな役を高岡早紀がやるもんだから(褒め言葉ですよ)始終イライライライラ。序盤はもう引っかき回しまくったくせに「私じゃない」なので、がっくりきてしまいます。

・大塚由佳里(横山めぐみ
この計画に乗ったのが借金のため(しかも自業自得)という、一番不純な動機な方。自分の今年か考えてないようなワガママ女なんだけど、いつも飄々としていて、重苦しい空気をかなり緩和してくれているキャラクターでした。

・杉山隆生(伊原剛志
舞衣たち四人の最大の敵。たまに「なんでキレ者のこいつがこんな行動を?」と思ってしまうこともありましたが、基本的には冷静沈着なかなりの強敵でした。社長や会長に献身的に尽くそうとする姿はちょっと哀れでもあり。

・階堂祐介(鈴木一真
強度のシスコン社長。このドラマを3割増しに楽しくさせてくれていたのが彼の存在。冬彦さんも真っ青な彼の変態行動には脱帽です! 初っ端っから謎の緑の液体、SM、監禁、ストーカー……こんな社長のいる会社は大丈夫なのだろうかと思うほど。


■演出
初めはしょぼいと思われた演出。だけど後半に進むにつれ、そのB級臭さがツボってくるから不思議です。特に祐介変態シーンではその本領発揮。


■主題歌&タイトルバック
歌の内容も曲調もこのドラマにはまっていて、この歌を聴くだけでわくわくしたものです。泡ぶくぶくぶく……のタイトルバックも好きでした。


<最後に>
なんかまだまだ書き足りない感はあるのですが(こんなに書いてるくせに……)ここいらで締めくくらせていただきます。次走者はドラマ感想サイト暦9年という、僕が知っている中でもかなりの老舗のid:setopiさんです。本家のドラマレビューサイトははてなじゃないのに、僕がお願いしたら快く承っていただけました。本当にありがたいです。

しかし、受け取ってからかなり時間がかかってしまった……本当に申し訳ないことです。とりあえずこのエントリを見て「このドラマ、見てみようかな」という気になっていただいたら幸いです。ただ、大きなレンタル店でしかレンタルしてないと思うので、買うのが惜しいという方はどうぞ再放送にでもご覧になってみてくださいー。