「ハサミ男」

一日一映画は今月いっぱいにしようと思います。理由:金がないから。
というわけで今日の映画。今、麻生久美子がアツい!(僕の中で)ということで、借りてきました。

ハサミ男 [DVD]

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演出といい台詞といい、所謂なんというか「お洒落系映画」っぽくて、僕はこういう映画が嫌いなので「げ、失敗したかな」と思ってたんですが、オチには見事に騙されました。トヨエツファン・麻生久美子ファンは楽しめるかもしれません。犯人探し系のサスペンスを観たい方にはちょっとイマイチかもね。以下ネタバレ。


●いただけなかった点
・まず「ハサミ男」とマスコミがつけた名前で、犯人=男と決め付けちゃっている警察がダメダメ。
・中盤ぐらいまでは、時間が長く感じられた。堀之内(阿部寛)が死んでからも、ラストシーンに繋がるまでが長すぎたような。演出のせい?
・演技が微妙な人が多い。まずあの勝村政信をちょっと若くしたような警官。そして樽宮由紀子役の子。あの高笑い、もうちょっと上手い人にやらせてたらもっと不気味さが出たと思うんだけど……表情がない彼女が、楽しそうに笑った瞬間、という設定の不気味さがあまり際立たなかったのが残念。柄本佑君も、あんなに下手だったっけ? 演出のせいかなあ。
・前述したとおり、演出。アフレコっぽい喋り方も気になった。なんとなく古臭い感じなんだよね。


●良かった点
・キャスティングは見事にはまってたんじゃないでしょうか。特にトヨエツ。声が良かった。
・トヨエツは知夏(麻生久美子)のもう一つの人格、というのにはまったく気が付かなかったよー。警察がトヨエツについては何一つ調べないこと、トヨエツ一人で行動するシーンがないこと、トヨエツが知夏にしか喋らせていないこと、トヨエツの声を「何、今の変な声?」と言う女子高生(この時は「トヨエツ様の声を変な声だなんて、恐れ多い!」と思ってました。ええ、アホです)などなど、伏線はたくさん張り巡らされていたのになあ。
・このオチ的にも、ちょっと「共犯者」と似ているけど、こっちは映画なのでその分真実が分かりにくくしてあったのが良かったです。「共犯者」はすぐに浅野温子が二重人格者だ、って分かっちゃいましたからねー。
麻生久美子の吐くシーンは見事な熱演。この人、「時効警察」とはまったく違うキャラクターで、全然雰囲気が違ってました。最初誰かと思ったもん。それだけ上手いってことなんだろうな。でも「箪笥」「殺人の追憶」そしてこれと、立て続けに吐くシーンがある(もちろん吐瀉物をきっちり映している)映画を借りてくる僕って一体……


結論:麻生久美子西田尚美に似ている。……と思う。