舞城王太郎『煙か土か食い物』

敏腕外科医である奈津川四郎は、ある日実家の母親が殴られたという凶報を受ける。四郎は復讐のため、犯人探しに乗り出すことに。奈津川シリーズの第一弾であり、著者のデビュー作らしいです。

煙か土か食い物 (講談社文庫)

煙か土か食い物 (講談社文庫)

一応分類はサスペンスかな。けどサスペンスとして読んだらダメなんだろうなあ、やっぱり。
ネタバレあります。一応たたんでおきます。というかあんまり感想になってません、はい。


やっぱり推理モノとして読んだらかなりきつい。暗号の意味もむちゃくちゃだし(特にドラえもんはこじつけもいいとこだし、意味も全く無いし)動機もあやふや。やっぱり好き嫌いがばっさり分かれる作家さんなんだと思うんだけど、やっぱりこの人に対して「好きな作家」とは手放しには言えないけど嫌いな作品ではないという感覚が。いつかズガーン!とくる作品が来るかなあと思ってるんだけどなかなか来ない。うーむ。サスペンスとしてははっきりいって荒唐無稽もいいとこだけど、二郎絡みの話とかは結構好きなんです。やっぱりもうちょっと様子見かな。
そういえば、奇しくもラスト近くの「骨折しながら手術」というシチュエーションが「ドクターハンナ」と一緒でした。天才的で暴力的な医者が主人公って点では一緒だもんなあ。