桐野夏生「残虐記」

「私はかつて、ある男に誘拐されました」……驚くべき手記を残して消えていった、ひとりの小説家。男の欲望の犠牲になり、1年間監禁された少女を待つものは、周りの好奇の視線だった。彼女と男の間にあった感情とは、一体なんだったのか?

残虐記 (新潮文庫)

残虐記 (新潮文庫)

相変わらずいや〜な感じにさせるのがうまいです、桐野さん。だけど「グロテスク」に比べたらパンチが弱めかなあ。一番妙にリアルで怖いと思ったのは主人公の母親の反応です。なんかぞっとする。こういうエグエグな話もいいんだけど、たまにはストーリーがかちっとした話が欲しい……あ、「魂萌え」は面白かったですけど。