「輪廻」

若手女優・村瀬渚(優香)は、松村(椎名桔平)が監督する映画「記憶」のヒロインに抜擢される。その映画は35年前実際に起こった事件を元にして作られたものだった。撮影が近づくにつれ、渚は奇妙な夢を見るようになる。行った事のホテルの記憶、謎の少女。そこで渚は、その事件と自分が何らかの関わりがあると確信する。

輪廻 プレミアム・エディション [DVD]

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うーん、全然怖くなかったなあ。話にもひねりがあまりないというか、ドラマや映画を多く観てる人にはオチはすぐ分かっちゃうと思います。ラストの数分もねー、なんというか非常にホラーっぽいというか。こういう曖昧なラストって何故かホラー映画に多い気がする。あと妙に哲学的な部分があるのもホラー映画っぽいよね。
ただ、優香は凄かった。彼女が一番怖かったです。最後の白目演技なんてもうね……優香ってこんなに上手かったんだなあ。反対に香里奈はちょっといまいちだった。前から演技はそんなに上手くはないと思ってたんだけど、何より怯えている感じがしないんだもんなーあんまり。松本まりかちゃんは電波な役なんだけど、あのアニメ声が妙に電波っぽくて良かった。

以下ネタばれあり。


前述したけど怖さという点では結構いまいちだった感じはします。音でどーん!的な怖がらせ方じゃないのは好感が持てましたけど。人形はやたら気持ち悪かったけど、なんか妙に滑稽に思えてしまえて。滑稽といえば、死んだ人達がぞろぞろ歩き回るやつ。おいおいこれはゾンビ映画だったのか?と。なんか図が妙にシュールというか、笑えてくる感じがしてしまって残念でした。
で、一番わけの分からないのがあのラストですよねー。あの婆さんの行動の意図が分からん。うちの母親は夫の生まれ変わり=渚への復讐としてスーパーボールと人形を投げ入れたのだと言ってました。僕としては夫へのメッセージ的な意味で投げ入れたのではないかと思ってるんですけどね。渚の苦悶→笑顔のシフトも、最初は渚の人格だったのが男の人格にシフトしたという意味なのではないかと思ったりして。ともかくあそこの優香の演技が素晴らしかったです。さして可愛く撮ってなかったのも良かったな。


一番謎なのが、どうして生まれ変わった人達が殺されたのかってこと。あの幽霊はストーリーから考えてあのペンションで殺された人達の霊なんだろうけど、殺される意味が全く分からなかった。たぶん松村が映画を撮ろうとしたため被害者が出始めたんだとは思うんだけどね。男の生まれ変わりである渚への復讐のためか?とも思ったんだけど生まれ変わりが殺される理由にはなってないよな。