戸梶圭太『自由自殺法』

自殺が蔓延る日本。そんな中、「自由自殺法」という法案が立てられた。「自殺したい者に対しその補助をいたします」……その法律によって、日本はどう変わっていくのだろうか?

自殺自由法 (中公文庫)

自殺自由法 (中公文庫)

上には堅苦しいこと書きましたが、内容はそこまで堅くありません。「ドクターハンナ」がちょっとアレ系(エロとかグロとか)だったので、ある程度構えて読んだのですが、意外と普通だったです、はい。ただ「この作者はいい加減だなー」って感じはやっぱしますけどね。あ、いい意味でですよ。ただ好き嫌いは分かれると思うけど(僕は結構好きです)。ちなみに繋がってるストーリーではなく、オムニバス形式。「自殺なんて自由にやるものだろ、どうやって話を展開させる気だ?」と読む前思っていたのですが、そこらへんは上手いなあと思いました。全部の話が個性があり、似た話が無いのが面白かったです。意外と良い話も転がってたりしてるし。あとなんとなく筒井康隆っぽいかなあとも思ったり。フォントいじりはあんまり好きになれないんだけど(後になってくると慣れるんだけどね)文章は非常に読みやすかったです。