「斉藤さん」最終回

斉藤さん 最終回「さよなら斉藤さん」
拡大いらねー。


えーと、コメントで「厳しい感想お待ちしてます」というお言葉をいただいたから、こういう感想を書くんだよーっていうわけじゃないことを、最初にお断りしておきますw……だって、最終回面白くなかったんだもん。ドラマの最終回としてはまあ普通の出来だと思うけど、このドラマの趣旨からはだいぶ脱線した最終回だったと思う。このドラマで描きたかったのは女同士の友情だったのか? 真野さん(ミムラ)と斉藤さん(観月ありさ)の関係は嫌いじゃなかったけど、このドラマを女同士の友情話として見てなかった僕にとっては、この最終回は正直何の感慨もありません。斉藤さんが社会の悪を斬る!っていう触れ込みじゃなかったのかよ? そんなとってつけたように店員(つるの剛士)の態度の悪さや服をいい加減に戻す客を注意するシーンを入れられても誤魔化されないっつーの。このシーンも妙に不自然だったし。


キャラクターの描き方もいい加減だったよなー。きちんと統一してたのって真野夫妻だけじゃないか? 三上さん(高島礼子)は最初はかっこよかったのに後半になると都合良いキャラクターになってるし(大体「昔は斉藤さんのようだった」っていうエピソードもなんだったんだか)何よりひどいのはやっぱり小倉さん(北川弘美)だよな。彼女の扱いはもうちょっとどうにかならなかったのかなー。最終回なんて空気だったし。大体主人公の斉藤さんのキャラクターも統一してなかったのは痛い。観月ありさは良かったんだけどね。「ナース〜」をきちんと見てなかった僕としては、個人的には今までで一番のハマり役だったかもしれない。
というわけで、真野夫妻は良かったです。真野さんなんて一歩間違えればすっげーうぜーキャラだったけど、ミムラが好演してた為か全然気になりませんでした。ミムラはやっぱ上手いよなあ。あと透(佐々木蔵之介)ね。彼は本当に良い旦那だったよなあ。公式HPで古田新太が「真野の旦那は頭に来る。あんな旦那なんているか! あいつだけリアリティがありませんね、感じ悪い」とか書いてたのに笑いましたw確かにあんな良いご主人はそうそう居ないだろうな。
あ、そういえば斉藤さんのご主人は結局顔出しませんでしたね。やたら意味ありげだったのはなんだったんだって感じではあるんですが、まあそれはそれで良かったかも。このドラマは、あくまで斉藤さんや子供たちだけの範疇の物語だからね。その意味では、透もあまりリアリティの無いキャラクターで良かったのかもしれない。


このドラマ、前半は本当面白かったんだよ。何が正論か分からない感じで、今度またやる「ごくせん」みたいに主人公=正義で悪を斬る、みたいな単純にスッキリする感じじゃないのが良かった。だけど真野さんが斉藤さんの友達になって、真野さんが「斉藤さんの言う事は正しいよね!」みたいな感じになってからちょっとつまらなくなっちゃった感じかなあ。真野さんって視聴者の代表みたいな感じだったから、彼女が斉藤さんを支持すると「何が正論か分からない世界」が壊されて「斉藤さん=このドラマにおいての正義」みたいな図式になっちゃった感じはする。まあそれでもそれなりに面白かった回はあったわけで、そうなるとやっぱり後半の政治絡みとかがちょっとやりすぎだったのかなー。柳川議員の話もすっごい中途半端だったしね。息子(山田親太朗)もなー、エピソードはいい加減な上あっさりと改心しちゃって、なんか拍子抜け。
視聴率が結構良かったみたいだし、続編かSPぐらいはあるかもねー。その時はたぶん原作の漫画からストーリーを引っ張ってくるんだろうし、それだったら面白いかも。あぁあと、そういえばこのドラマ、演出も良くなかったよなあ。今期は良い演出と悪い演出の差が結構激しかった気がする。