2008年冬クール総括

あらゆるところで「ちりとてちん」が盛り上がっているのを見るのが前クールはとても寂しかったのですが、今クールは全然寂しくなかったよーだ。というわけで、今クールは心から「面白かった!」と思えたドラマが3つもありました。大豊作だよ、これ。その反動か来クールはまったく期待できなさそうなんだけど、まあそれは後々。あ、あと「ロスタイム〜」はぬっくんスペシャル(何それ)もあるわけだし、来クールまであるってことでいいんだよね。しかしこの枠は放送期間が不安定で困るな。



1「あしたの、喜多善男
一番面白かったのはやっぱりこれだよね。脚本や演出ももちろん良かったんだけど、何より役者が良かった。特に小日向さんのネガティブ善男の演技は圧巻。最後はまあやたら綺麗に締めたなーって感じは否めなかったんだけど、それよりも喜多さんの最後と「あーあ、終わっちゃった」という余韻の方が強くて。視聴率が低いのは正直なところまあ納得ですw元々視聴率を取ろうとするキャストではなかったしね。でもだからこそ作品に携わる人たちの本気度が伝わってくる気がして、逆に良かったです。記憶に残る作品になったよ、いやマジで。


2「鹿男あをによし
面白かった。それしか言いようがないw脚本は結構いい加減だし(演出にだいぶ助けられてたのは否めないと思う)、正直人に薦められるようなドラマって感じではなかったんだけど(「鹿が喋るドラマなんですよー」って言ったら「は? 何それ? 本当に面白いの?」という反応が……)僕は好きでした。オリジナルキャラの藤原先生(綾瀬はるか)も良かったしね。はるかちゃんは本当良い役ばっかりもらってるよなあ。あ、EDだけは自信を持って薦められるほどのかっこよさでしたwこのEDはマイドラマ史に刻まれましたよ、ええ。あとちなみに原作は売れ切れで買えなかった。残念。


3「エジソンの母
初回は期待しまくってたためか面白くなくて、どうしようかと思ってたんですが、後半からぐんぐん面白くなってこの位置に。脚本が上手く出来てたんだよなあ、色々なところが繋がったりしてて。毎回見終わったあとほのぼのとした気分になれたのも良かった。これで大森さんは「原作がないと駄目だな」とか言われなくなるはずだ、うん。主演の伊東美咲も良かったんだけど、個人的には杉田かおるの絶妙な演技がさすがだなーと思いました。あとエジソン君が回を増すごとに可愛くなってったんだよなー。彼は演技はともかく、表情が良いですね。今後に期待。


4「斉藤さん
最初は面白かったんだけど、政治辺りの話が絡みだしてからつまらなくなってしまった。キャラ設定もふわふわしてたし、後半はいい加減な部分が目立ったなあ。もうちょっとしっかりと作って欲しかった、というのが本音。でもまあ前半は確かに面白かったわけだし、ミムラの演技も良かったのでこの位置に。


5「未来講師めぐる
最初は全然面白くなくて、でも途中からネタが面白くなりはじめてきたんだけど、永作が出てきはじめてからまたつまらなくなっていった、という見事な山形のドラマでした。クドカンにしてはちょっと脚本が甘すぎ。磯Pと組まないとやっぱ駄目なのか?と言われちゃうぞ。フカキョンはかわいかったしこういう雰囲気のドラマにはぴったしだなーと思ったんだけどねえ。


6「佐々木夫妻の仁義なき戦い
前半は脚本も上手く出来てて面白かったんですが、後半から主人公二人の性格面に嫌悪感を抱くようになり、最終回に至っては「アホちゃうか」の一言。脇キャラも個性的な俳優を使っているのにもかかわらずあまり上手く使っているとはいえなかったし、桜井幸子も中途半端な出番のまま終わってしまった感がある。っつーか最初の平泉さんの案件云々は絶対後で関わってくると思ってたんだけど、まったくなかったなあ。あと演出もちょっと狙いすぎ感が強くて辛かった。


(以下リタイア作品)

薔薇のない花屋
やっぱり野島作品とは根本的に合わない。

ハチミツとクローバー
原作ファンには酷評の嵐だったようですねえ。僕が青春系ドラマが苦手だってことを差し置いても、普通につまらなかったもんなあ。

貧乏男子
貧乏学生の話かと思いきや「周りに良く思われたいから借金を繰り返す大学生」の話だったので、その時点で辟易しました。小栗君も全然良いと思えなかったし。

「交渉人」
あらすじだけ見れば面白そうだったけど、最終回はひどい出来だったようで。

「だいすき!!」
僕の歩く道」もそうだったけど、障害者を主人公に置いたドラマっていうのは根本的に苦手。一部の動物モノでもそうだけど、絶対に理解しえない者の心情を偉ぶって描くっていうのはなんかおかしいと思うんだよね。全体的に暗かったし。それを考えると「光とともに」はやっぱり名作だったんだなーと思う。あれは「息子が障害者」っていうコンセプトだったしね。

「4姉妹探偵団」
まぁ原作が「子供だまし」と言われてる赤川次郎だしねえ……

1ポンドの福音
途中リタイア。オチが「アンジェラがシスターを辞めて結婚しました」ってのもどうなの?って感じ。


●総評
というわけで、「喜多善男」「鹿男」「エジソン」この3作品が心から楽しめたので、大満足でした。3つとも全然違うタイプのドラマだったのも良かったしね。こういうのを見ると、今の日本のドラマのつまらなさを主張している奴らを「ざまーみろw」と嘲笑ってやれるので嬉しいっすねー。へっへっへ。大体そういう人たちって実際ドラマをちゃんと見てないんだよね。
あと関係ないけど今クールは題名に人物名がつくのが多かったですね、何故か(「喜多善男」「エジソン」「佐々木夫妻」「斉藤さん」「めぐる」)。