銭ゲバ 最終回

いや凄い。マジで凄い。ドラマとして面白味があるかどうかは別として、この最終回はある意味ドラマ史に残るんじゃないか? だって主人公が世間に悪態吐きながら自殺するドラマなんてそうそうないぞ? しかも主人公自身には救われる部分は一つもない。結局は「世の中は銭ズラ」っていう終わり方。それをやっちゃうのがこのドラマの怖いところだよなー。定食屋も警察家族も幸せそうだったけど、それも結局は風太郎の渡した金ありき、だもんね。そういうことが分かったから風太郎もたぶん自ら死を選んだんだろうし。
あのパラレルワールドというか、風太郎(松山ケンイチ)の妄想というか、自分が求めてた幸せの情景がこれまた現実とは凄惨すぎる対比で。でもこれちょっと長すぎるよ。途中で飽きちゃった。まぁでもその妄想と、風太郎が死ぬという展開だけで一話丸々使う、っていう手法も凄いけどね。あと巻き戻っていく演出も。脚本が一番伝えたいことをきっちり伝えきってた最終回だったのではないかと。あと茜(木南晴夏)の耳を塞いでて「聞こえてたもん」っていうシーンがあったけど、ということはやっぱりあれって最初から全部茜は聞こえていた、っていう暗示なのかなぁ……
あと原作読みました。結構忠実なんだねーこれ。というかこのご時世にこれをドラマ化しようとする河野Pがすげーわ。


でもなんか手放しで「面白かった!」と言えないのは、あんまり心に響いてこなかったからだと思う。脚本も演出も役者も凄かったんだけど、なんでかなぁ。でもこの最終回は凄いと思いますよマジで。ここまで衝撃的な最終回は久々かもしれん。