「アイシテル〜海容〜」第1話

アイシテル〜海容〜 第1話「全ての母親へ捧ぐ家族愛の物語」

「ママはあなたが好き」っていう看板はちょっとしつこかったかな。


あーなんかあれ思い出した。「14才の母」。あんな感じの「問題作!」と銘打っていつつ、なんとなく甘い部分が見え隠れするドラマになりそうな感じが今からするんですが……14才の母ははっきり言って役者勝ちって感じがあったんだよね。主演の未来ちゃん初め、みんな芸達者な人ばかりだったし。で、今回はどうかというと、うーんうーん……被害者側と加害者側、という観点からすると、まぁ感情移入のレベルもあるのかもしれませんが、佐野&板谷夫妻の方が演技も上手くシーンも緊張感があった気がしました。内容が分かってたので、冒頭の家族の食事シーンからかなりきつかったっす。まぁお姉ちゃん(川島海荷)の「あんな弟、消えちゃえばいいのに」発言で「あーはいはい」って感じになっちゃったんですけどね(ちょっとステレオタイプすぎやしませんか)。
それに比べると加害者サイドは、まぁ加害者側だということを差し引いても、ちょっと感情移入しづらかった。ていうか野口夫妻の演技が微妙なんすよ……稲森ちゃんはドラマ史に残る名台詞(?)「あの盛りの付いたメスブタが!!」と叫んだドラマ「年下の男」から結構好きな女優さんなんですけど、うーんやっぱあんまり上手くないよね……山本太郎もちょっと飄々としすぎていやしませんか。というか息子が人を殺して、まぁ失神するのはいいとして、その後の会話がさぁ……なんかちょっと冷静すぎやしませんか、と。さつき(稲森いずみ)としては「息子が人を殺したなんて信じられない→これは何かの間違いだ→殺したはずない」と脳内シフトしたっていうのはなんとなく分かったのですが(「息子を信じてる」とか言っちゃうあたりそんな感じだよね)和彦(山本太郎)はちょっと冷静すぎる。だって息子が人を殺したのかもしれないのに、妻のせいにしたり保身のこととかしか考えてないんだもん。いや、これはこれである意味人間らしい感情ではあるけどね。特に「会社辞めなきゃなんないのかなー」とか、まぁ考えるとは思うし、ドラマだからそれを台詞として発するのはしょうがないけど、いくらなんでも保身転換早すぎだろパパさん、みたいな。だってまだ自分の息子が殺したって決まったわけじゃないんだしさー。まぁ端的に言っちゃえば、この夫婦の中の葛藤とかそういうものが描かれてないわけですよ。被害者サイドも充分とは言い難いけど、それでも役者の演技でだいぶカバーされてる感じ。でも加害者サイドは演技がちょっとアレなのもそうだけど、「人を殺したかもしれない息子を持つ親」という難しい立場としての感情が描き切れてないというか……どう描けばいいか、っていうのはちょっと難しいけど、あれですよ。要は台詞で言わせすぎ。もっと感情を行動で表す感じで描いて欲しかったなぁ。


でも興味はあるので見続けるとは思います、はい。題名に「海容」が入ってるだけあるし、多分被害者側が許しちゃう展開にはなるんだけどさー(普通はありえない、と思いますよ僕は)。そこらへんにイライラして突っ込みつつ見ちゃうんだろうなー、14才の母みたいに。あーこういうドラマこそ井上由美子とか水橋文美江(トライアングルみたいなじゃなくてな!w)に脚本書いて欲しかったなー。だって吉本昌弘って僕の中ではトンデモ脚本家……