インスタント沼

あーーーーー麻生久美子可愛いよ麻生久美子。どうしてこんなに可愛いんだろう? 顔立ちは特に可愛いわけじゃないんだけどなあ。正直彼女はコメディよりもシリアスの方が似合うと思います。コメディだとなんとなく動きや台詞がぎこちなくなってる気がするんだよねえ。ただそのぎこちなさが逆に独自の雰囲気を作りだしているというか、妙にマッチしてるから面白いんだけど。監督の力か? まぁなんだかんだ言って麻生久美子は大好きです。この映画でも凄い可愛かったなあ。服も凄く可愛いのが多かったよ、ジリ貧設定のくせにwそして彼女はこの映画の99%の部分に出ずっぱりでした。逆に主人公がここまで出てる映画も珍しいんじゃないかなぁ? それでも画面的に辛くないのは凄いよ。


まぁ麻生久美子はいいや。いやいくないけど。映画自体はまさに「三木聡の映画ですね!!」って感じ。あのシュールな笑いは僕は好きだけど人を選ぶだろうなぁw 爆笑はなかったけど、くすくすと会場の所々から笑いが漏れてました。僕も結構笑った部分はあったんだけど、静かな骨董品でのシーンは妙にツボってしまったw 映画館で笑いが止まらなかったのは久々だ……ま、「時効警察」が好きな人なら大丈夫かと。
コメディ要素的には満足だったのですが、展開的には結構ハチャメチャです。ただそれでもきちんと繋がってるべきところは繋がってるから見ていて気持ち良い。終わり方も爽やかだったのもポイント高いですなー。個人的にはあのウサギのエピソードが好き。あれはほっこりできたよ、うん。あと三木聡の着眼点には驚かされる。ギャグ要素的な意味でもそうなんだけど、水道の話はかなり良かった。いやぁよくこういうこと思いつくよなー。いやはや面白かったです。頭空っぽで観れる映画でした。
キャストは凄い豪華。Mr.なんとかみたいに主役級とかネームバリューだけの人たちを投入しまくるんじゃなくて、こういう名脇役てんこ盛りな映画を個人的には「豪華キャスト」と呼びたいところですよ! あ、でも白石美帆はちょっと浮いてたかな。こういう役でこんな感じのコメディは似合わないんじゃないか? 陣釜さんみたいなのは別として。


以下ネタばれあり。


結局この映画のテーマは「何を信じるか?」だと思うんですよ。幽霊とか河童とか、目に見えない物は決して信じないアヤメ(麻生久美子)だけど、黒い招き猫のジンクスは信じてるし、静電気や釘で繋がる信頼関係とかそういうのにも頼ってる。静電気のエピソードは最初しか出てこなかったけど、電球(風間杜夫)やガス(加瀬亮)と握手した時も静電気起きなかったよね。それともここら辺は時期的に関係なかっただけか?w
で、アヤメが絶対的に信じてるのはやっぱり『人』なんだよね。ツタンカーメンのやらせも信じ切ってたし、倉庫の中身もただの砂なのに「何かある!」と電球の事を最後まで信じ続けてたし。インスタント沼〜とかアホなキーワードで雰囲気をぬるくしてるけど、要するに「人を信じ続けたアヤメに起こった奇跡の話」なんじゃないかなーと思うわけですよ。まあその奇跡は龍が見れて龍のうんこ浴びて招き猫とウサギが戻って来てお母さん(松坂慶子)が退院して、ということだけしか齎してなくて、結局最終的には元の生活に戻っただけの話(電球にも自分が娘であることを最後まで伝えなかったしね)なんだけど、「何かを信じ続けてれば何か起こるよ!」ってことを回りくどく言いたかった作品なのではないか……と思うんですが、ちょっと考えすぎ?w
まぁあと前述したけど、ウサギが戻って来てくれて本当に良かったです。あのままウサギほったらかしじゃ辛かったしw 決め手がアヤメにとって嫌な思い出しか喚起させないあのプリクラってーのも良かったな。小道具の使い方とか上手いよなぁ。ウサギも可愛かったしね!