角田光代『空中庭園』

空中庭園 (文春文庫)

空中庭園 (文春文庫)

「嘘をつかない」がモットーの家族の、一人ひとりが隠す「嘘」の話。まあなんというか、映画を観てるか観てないかではずいぶん印象が違うなーという感じかな。だって絵里子のパートとか、原作を読んで映画を観たらだいぶ意味合いが違ってきちゃう気がするよ!
これを読んで思ったのが「映画、よく出来てたんだなー」ということ。綺麗にエピソードを繋ぎ合せてたんだなあと思いました。家族の異常性もきちんと描かれてたし、登場人物もむしろ映画の方が深く書かれてた気がする。
というわけで、映画のインパクトが強かったせいか、小説は何となくイマイチな印象。話の繋がりもあんまり見えてこないし……むしろ映画がもう一度観たくなってしまったという。ミーナのパートが一番おもしろかったかな。あ、あとそれぞれの登場人物のパートに「誕生日」っていうキーワードがあったのは面白かったです。


映画での飯塚(永作ちゃん)が言ってた「私、セフレでございます〜♪」のシーンがなくて残念。あのシーン好きだ。