『大洗にも星はふるなり』

大洗を「たいせん」だと思ってたし、「星が」だと思ってたし、「降るなり」だと思ってたし、とにかくなんか個人的にはいろいろややこしい題名だったりします。
その割に内容は至って単純明快。コメディ映画なのですが、ギャグも非常にオーソドックス。役者の力で笑わせてる部分はかなりあったよなー。山田君と佐藤二朗がすごい。何がすごいって、まず山田君が気持ち悪すぎてすごい。彼は一体どこへ向かっているのだろうかとw 妙な長髪も、丸い顔も、太い二の腕も、ちらりと覗く胸毛も、浮いた乳首も、妙にてかっている肌も、正直全部気持ち悪い。演技も気持ち悪い。ただし、この映画での「気持ち悪い」は最高に褒め言葉です。一時期はウォーターボーイズとかセカチューとか、有名な青春ドラマや恋愛ドラマを風靡した役者が、ここまで気持ち悪くなれるのはすごいと思う。『電車男』でも見事なオタクっぷりにすごいなーと思ったけどこれはそれ以上。ますます山田孝之が好きになりました。表情筋の動かし方も素晴らしかったし、欲を言えばもっと主役っぽいところを見せてほしかったけど、良い演技でした。素晴らしい。
そして佐藤二朗ね。やっぱり佐藤二朗はずるいよ、喋るだけで笑えるんだもんw 『親孝行プレイ』のときも思ったけど、電話をかけるシーンだけでここまで笑わせられるのはさすがです。この二人の功績は大きいと思うな。


まー山本君とブラザートムジュニアは時折微妙な時もあったけど、特に大きな問題はなかったのですが、最後の林役の子がなあ……某ブログでひどいとは聞いてたけど、本当にひどかった。ストーリーにこんな関わり方してくるんならもっと上手い若手いっぱいいるだろー、とか思ってしまったよ。
話の展開自体もここらへんから個人的には急激につまらなくなってしまいました。つーかこの展開はないよなあと。オチも正直分かりやすすぎというか、もっとひねって欲しかったというか。もっと全体的に突き抜けても良かったと思うよ。役者は良かったと書いたものの、役者任せっぽいところも少なからずあったし、もっとぶっ飛んでても全然許せたんだけどな。特にヤスケン弁護士先生の使い方はちょっと勿体ないな、と思った。
ちなみに何人もの男が一人の女に、という設定はなんとなく『キサラギ』を彷彿とさせますが、構成もキャラクターの魅力も断然キサラギの方が上です。


観ている途中奇妙な違和感があったんですが、これBGMがほとんどなかったんですよね。舞台調にするためかな? ちょっとシチュエーションコメディちっくだったし。だけどそれならそれであの派手な演出は逆に浮いてた気が。あとたまに画面がゆらゆらとぼやけてたんだけど、それは単に映画館が悪かっただけなんだろうか。