平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

もっと気持ち悪い感じかと思ったけど、意外と気持ち悪くなかったかな。というかちょっと似た話が多いかなー。設定は面白いのに終わり方が似通ってるっていうか。『Ωの晩餐』『オペラントの肖像』『卵男』『怪物のような顔の女と〜』はどれも似たような展開だったと思う。『Ωの晩餐』なんかは設定は結構好きなんだけどなあ。なんつーか全体的にすんなり頭に入ってこない感じ。変態っぷりは素晴らしいんですよ? また筆者近影の平山さんが普通の人っぽいのが恐ろしいですね。
『ニコチンと少年』はタイトルが意味わからなかったんだけど、解説読んで気づきました。ひどい下ネタだw『無垢の祈り』みたいなあやふやな終わり方はわりと好きです。『すまじき熱帯』はタイトルといいキャラ設定といい現地民の言葉といい、どことなく筒井康隆臭が……と思ったらやっぱり影響されてたのかー。


全部読んでみるとやっぱり『独白するユニバーサル横メルカトル』が群を抜いて良い。タイトルも素晴らしいんだけど、これだけ雰囲気が全然違うような。これは昔(三、四年前ぐらい?)ミステリ集みたいな本で読んで「おもしれー」と思い、それ目当てでこれ買ったんですけど、他の作品には『独白する〜』みたいな薄気味悪さがあんまり感じられなかったのが残念でした。つーか今更気付いたんだけど、この敬語調にもろ影響されていたというw いやー全然気付かなかった。
しかし語彙力が豊富すぎる。これは素晴らしい。これこそ見習いたいですわい。