『食堂かたつむり』

mixiに書いたやつの焼き直しです。一応こちらはネタバレなし。あと短めで真面目w)


今日は外に出る用事があったのですが、すぐ終わってしまったため、久々に祝日に映画を観に行くことに。人が多くてびっくりしました。僕が最後の一枚だったし。あぶねーあぶねー。


というわけでなんとなく『かもめ食堂』っぽい感じなのかな、と思ってたら見事に騙されました。いやあひどい。これはひどいトンデモ映画だった。もう既に僕の中では上半期トンデモ映画に決定ですよw 色々展開が衝撃的すぎる。しかもネタじゃなく、マジでやってるあたりが怖いね!
というか開始五分で嫌な感じはしていたのです。わりと重い展開がとんとんと進んでいくんだけど、これがミュージカルっぽいポップ(笑)でキュート(笑)な演出でさらっと描写されちゃうわけですね。これがどうにもこうにも軽すぎて僕は気持ち悪かったです。主人公の倫子(柴咲コウ)の口の利けなくなった理由もここで描かれてるんですけど、あまりに軽すぎて。あとこの変な歌や色彩豊かな(と言えば聞こえはいいが要するにけばけばしい)演出も好みじゃなかったし。
というか役者の演技と演出がかみ合ってないんですよね。役者がみんな繊細な演技してるのに、演出が派手だからすごい違和感がある。そう考えると中島哲也ってやっぱりすごかったんだなーと思ったり。あと料理がおいしくなさそうなんですよね。これって結構致命的では。ザクロ入りカレーとか何故か丼でコーヒーとかひしゃげたケーキとか一瞬アレに見えてしまった黄土色のスープとか……柴咲コウの手際が綺麗なだけに余計違和感。


というわけで役者は柴咲コウと余喜美子をはじめ、客も志田未来満島ひかり江波杏子と、なかなか豪華な顔触れ。ただしこの個々のエピソードが活かされてるかと言えば、全然活かされてないわけでして。特に満島ひかりのエピソードは倫子とひと悶着あるんですけど、特に何の説明もなく後半でいつの間にか仲直り。ええー。あれなんだったの。
全体的に話も薄ければ人物描写も薄い。そこで終わっとけば単なる「薄い映画」だったのですが、ラスト近くの展開でトンデモ映画と化してしまっているのです。


ストーリーは全体的にツッコミどころ満載。どれぐらい満載かというといちいちつっこんでたらきりがないぐらいに。
この映画の衝撃はラストにあるのです。ラストまでに衝撃的展開が続々と出てくるのですが、もうこれが全部「えええええええ!!!」ってな感じでw 倫子の出生の秘密とか、オカンの好きだった人とのお話とか、本気でやってるっぽい上に感動ストーリーになってしまっちゃいそうで戦々恐々の思いに。
何よりひどいのは、最後の方のパーティまでの様相。もうねーこのシーンがねー脳内ツッコミが尽きないパーティシーンでしたよ。ある意味すごいよなw シュールとかそういう度を越しているレベルです。ラストも意味わっかんねーの。ええええどうしてそうなるの!? と思ったところでエンディング。綺麗にまとまってるくさいところがなんとも言えない気分に。しかも主題歌はポルノ。なんかいい映画だった気分にさせてしまうのが恐ろしいですね。


というわけで役者の頑張りやポルノの曲までが、マイナス作用というよりもむしろトンデモ作用に拍車をかけてしまっているのではないかと思えるような映画でした。いやーこんなにツッコミ甲斐のある映画は久々だなあw(わりと地雷を避けてきてたので)