『Fate/stay night Unlimited Blade Works』

なのはと一緒に観て来ました。なのははきっちり予習してきたのですが、こちらは一切予習なし。というわけで、以下は原作に全く触れていない人間としての感想です。wikipedia読んでから行けば良かったかも、とも思ったのですが、映画を観たあとじゃなかったら多分あの壮大な内容は頭に入って来なかったんじゃないか……と映画を観た後wiki読んだ人間はそう思いましたw


いやあ、しかし端折ってた端折ってたw いきなり主人公が死んで生き返ってなんか戦いに参加させられててポカーン(゚Д゚ )。原作ではここで一時間以上使うらしいというのに、映画ではものの数分。で、よく理由も分からないまま闘ったり殺し合ったり。正直言ってぎりぎりお話の筋が掴めるレベルでした。でも僕個人としては映画ってやっぱり不特定多数の人間に観せるものだから、原作をやってようがやってなかろうがやっぱりきっちり理解させるべきだと思うんですよ。いくらこの映画が原作ファンのためのものだとしても。なのははその点成功だったと思います。なのはに関しては予習してしまったので全く触れていない人間としての立場で感想は言えないのですが、それでもたぶん初見の人にでも優しい作りになってたんじゃないかなー。やっぱり映画にした以上、原作に触れていない人に対しても分かるように描くのが当然だと思うんです。そうじゃなかったらOVAにでもして出せよ、と言いたい。
で、まあさっき「ぎりぎりお話の筋が掴める」と言ったのですが、正直主人公たちの目的がよく分からなかったのは痛かったです。というか最初にもしかして説明してたのかな? あまりにも怒涛の展開すぎて頭に入ってなかったのかもしれませんがw あといくらなんでもキャラが捨て駒すぎると思うんです。バーサーカー(西前忠久)引き連れたロリっ娘(門脇舞以)とか、仮面つけたライダー*1とかいうお姉ちゃん(浅川悠)とか、本当に使い捨てすぎる。このライダーの雇い主(?)もちょっとした犯人当てっぽくなってるのですが、「まさか、あの人が……!」とか言われても劇中で数秒しか出てない上に台詞が一言もなかった人だったから「あんた誰?」状態。っつーか人がやたら死にすぎなんですよw もうばったばった死んでく。しかもいちいち血がどばどば出るもんだからちょっと辟易。あんまり無駄にグロく人を殺す話は好きじゃないのです。
で、まあ途中で主人公・士郎(杉山紀彰)に関する真実っぽいことも明かされたりするのですが、これもなんだかよく分からない。伏線っぽいのもきちんと張ってあるんだけど、収束させてるかどうかもよく分からない。というか大前提になっているはずのお話がきちんと語られてないから、全然溜飲が下がらない。あれなんですよね、全体的に本当に筋を追ってるだけって感じで、どこに焦点を当てたいのか何が書きたいのか、それが全然分からない。またなのはを引き合いに出しちゃうんですが、なのはは見せるべきところと切るべきところがしっかりしてたけど、これはその真逆ですね。


まあ結論としては、一応原作に触れてない人でも分かる作りにはなってます。ただ完全には理解できないと思うので、やっぱり原作ファンに傾いた作品になってしまっているかなと。僕も一緒に行った後輩に観終わった後に色々教えてもらって、「あーなるほど」とようやく納得したので。声優はめちゃくちゃ豪華でびっくりしました。黒い関智とか素敵じゃあないですかw 作画も映像もかなり綺麗です。評価できるのはそれぐらいかな……まあこの映画だけ観て判断するのはよくないんだろうけど、少なくとも映画の見せ方としてはどうかなあと思う部分も多々あるし、正直あまり面白いとは思えない作品でした。

*1:仮面ライダーではないw