「Mother」第1話

Mother 第1話「児童虐待からの脱出 渡り鳥になった二人」

撮り方がなんか映画っぽかった。とてもいいと思います。


坂元裕二はやっぱりこっち路線で行くべき。もうくだらないラブストーリーとかいいですって……東京ラブストーリーの功績なのかもしれないけどさあ。昔取ったなんちゃらってやつですよ。キャストがちょっと多めなのが気になるけど、「わたしたちの教科書」でもきちんと登場人物にひとつひとつ見せ場を作ってたし、そこらへんは心配ないかな。


いやあしかし、話としてはだいぶきついですね。やっぱりどうしても似たテーマの「八日目の蝉」と比べてしまうんだけど、児童虐待というテーマを使っている分こっちの方が重い。ゴミ袋に入れて放置とか尋常じゃないだろ……そしてハムスターが出てきたとき「うわあ、まさか」と思ったら案の定そのまさかでした。こういった系統のドラマに出てくる動物たちって大抵ひどい目に遭うからつらい。
ただこの二人がどこまでそういった感情で突き進んでいけるか、という問題もあると思うんだよね。奈緒松雪泰子)が怜南(芦田愛菜)を誘拐したのって母性というよりも同情心とかそういったものが強いと思うんだけど、果たしてどれぐらいそれが理性だったり辛い境遇だったりを凌駕できるか、ということですよ。怜南もいくら母親やその男に虐待(やっぱあれって性的虐待もされてたっていう考えでいいのかな……具体的な描写がないぶんつらい)されていたとはいえ、あの年齢の子供だし、そうそう簡単に親を捨てるということはできないと思うんだよね。一時的な感情なら分かるけど、果たしてそれってどこまで進んでいけるんだろうかと。怜南を死んだと見せかけるあの画策も、よく協力したよなあと思ってしまった。
題名が「Mother」なわけだし、やっぱり母と子の物語になるんだろうか。奈緒と薫子(高畑淳子)はどうやら血は繋がってないみたいだけど、最後に出てきた田中裕子が奈緒の本当の母親ってことになるのかな? 血は繋がっているが別離している母子と、繋がっていない母子の話ということになるのかな。個人的に一番気になるのはやっぱり仁美(尾野真千子)だなあ……一体どういう反応を見せていくのか、こう言ったら語弊はあるかもしれないけど楽しみです。


怜南はちょっと大人びすぎてるかなーって気はしなくもない。いかにもドラマに出てくる子供だなあというか。最後に感情を吐露させるのは良かったけど、でもあそこももっと泣きわめくとかさせても良かったんじゃないかなー。あまりにも周りに気を遣いすぎてて、それが健気といえばそれはそうなんだけど、どうも子供らしさが薄れていて違和感。そこらへんも「母性」というテーマがあまり感じられなかった一因でもあるかな。
まあなんだかんだ来週以降が楽しみです。というか来週以降が坂元裕二の腕の見せ所よね。正直リアリティもへったくれもない話だから、どこまでそれを視聴者に排除させるかが勝負じゃないかな。エンジェルの家とか出てこないよなw