『モリのアサガオ』総括

なんとなく書く気力がなくてだらだらしてたらこんな時期に……


ともかく全体的に、後半の失速具合がひどかったなぁという印象です。最初は手堅い印象や役者の熱演でぐいぐい引き込まれてたのに、特に柄本さんが退場してからはARATAの熱演が逆に浮くなんて自体に。原作がどんな感じなのかは知らないのですが、最終回前までは及川(伊藤淳史)と渡瀬(ARATA)の間にちっとも表題のような「友情」が感じられなくてですね。全体を通してそうだったのですが、及川の独りよがり・自己満足の連続のような感じがして、一応最終回で二人は心を通じ合わせた(ように描いていた)わけですが、ちっともそうは見えませんでした。っていうかいきなり最終回でホモくさくなりすぎ!「直樹」「満」って下の名前呼びもそうなんだけど、なんだか腐った目線でしか見られませんでした……これはべつに僕がBL脳だからとかそういう問題じゃなくて、描き方が不足してるんだと思います。あまりにも唐突というのもあるし。演出や役者で誤魔化せていた脚本の甘さが、後半になって露見しまくってきたなぁといった感じ。
問題の一つにして最大の点に、及川のキャラクターはあるだろうなあ。個人的に伊藤くんが苦手だということを差し引いても及川のキャラはひどかったと思う。特に最終回の、渡瀬に対する「君は死刑に値する」発言は口あんぐりでした。お前どの口がそれ言うんだよと。彼の父親が死刑囚だったってエピソードもそれほど重要な意味はなかった気がする。両親(大杉漣市毛良枝)もほとんど出て来なかったし。
ともかく主人公くんは意見はぶれるわ、自分勝手な行動を繰り返すわ、周りは異様に寛容だわ、なんかもうよくドラマにありがちな「新人の主人公を一喝するようなベテラン上司」とか「意地悪な同僚」とかの存在のありがたみがよーく分かったドラマでした。及川にずっとイライラしっぱなしだったもの。べっ、べつに木南晴夏ちゃんが彼に惚れてたからとかじゃないですからねっ!?(そういや彼女さんも相当アレな役でしたね……独善の塊というか……ある意味お似合いだったのかもしれないけど。ここらへんのエピソードも必要性は感じなかったなぁ)


テーマや役者は良かったのに、スタッフの力不足としか思えない作品ですごく残念でした。前半の面白さを加味すると評価を甘くしたくなるんだけど、終わりよければすべてよし、また逆もしかりなわけで……ともかく役者の皆様にはお疲れ様と言いたいです。みんな熱演で(特に死刑囚役の方々)ほんと引き込まれたもん。それを拝めただけでも見た価値はあった……のかなぁ?