『ばかもの』

公開終わるぎりぎりに観に行きました。いやぁなかなかよかったです。金子修介の作品はあんまり好きじゃないし、ストーリーも特に惹かれるところもなかったのでどうしようかなぁと思っていたのですが、なかなか評判が良くて。今年初の新作映画としてふさわしい作品でした。


しかし原作&脚本が女性で、監督が男性っていうのはなかなかいい手法かもしれません。双方が典型的な「男から見た女」「女から見た男」でありながらも魅力的に見えたのはそのせいかな、と。もちろん役者の力もあると思います。成宮くんが19歳から29歳の役を演じてるんですが、この成長の過程の演技がうまいです。きちんと19にも見えるし29にも見えるのは大きい。19のときとかほんとかわいかったです、犬みたいでw 濡れ場が異様にエロいんだよなぁ。「あっ。だめっ、いっちゃうっ」とかほんとに女の子みたいな声でエロいw(ジョゼ虎の妻夫木くんの「あっ、ああっ。出るっ」を思い出しましたw そういや内容もちょっと彷彿とさせる感じだった)なんかいろいろ役者の背景を邪推しちゃいそうだけどだめですよ!
内田有紀ちゃんも良かった。この年代で他にこういう役を嫌味なく演じられる女優はいるかなぁ、といろいろ考えたんですが、なかなかいないんですよねこれが。篠原涼子とか小西真奈美じゃああざとすぎるし、尾野真千子じゃあストイックすぎるし、中谷美紀じゃ色気が強すぎるし……内田有紀は演技上手いとはさして思わないのですが、でもなかなか稀有な女優なのかなと思いました。男前な女優は江角マキコとか天海祐希とかいるけど、こういうきっぷの良さと色気を持ち合せてる人はなかなかいないんじゃないかな〜。役柄にぴったりでした。役としてはもっと背景が欲しかったかな、とも思ったけど、主人公視点という点においてはこれぐらいでちょうどよかったのかも。
あ、あと関係ないですが犬が超名演技でしたw


ストーリーはちょっと冗長。もうちょっと尺を減らしても良かったかも。特に中盤がねえ……観てて退屈なわけじゃないし、大須成宮寛貴)の成長や決意に大きく関わってくる部分だから必要なんだけど、でも始めのほうと終わりのほうのストーリーのインパクトがどうしても強いから印象が薄れがちなんだよね。もうちょっとさらっと書いてくれてもよかったかも。
演出もわりと鬱陶しい部分が多くて、特に時代の背景を象徴するアイテムが「これちょっとあざとすぎねえ?」と思わなくもなかったりするのですが、ラストシーンの綺麗さは本当にすごかった。あそこどこだろう? 絵になるくらい綺麗な景色と構図でした。あれには胸を打たれたなぁ。あと、大須と額子(内田有紀)が一緒にお風呂に入るシーンも良かったです。というかこういうのって女性ならではの発想だよなぁと唸らされちゃいましたよ。


余談。本筋とは全く関係ないのですが、ツイッターでほんのちょっとだけやり取りさせていただいてた映画好きの方(というかリアルでは関わりなかったけど一応大学の後輩w)と映画館でたまたまばったり会ってびっくり。すげえ偶然。周りに映画好きがほとんどいない僕にとって「これはチャンスだ!」と思ったのですが(何のだ)僕も用事がありあちらも帰る方向が逆だったので、ほとんどお話しできなかったのが残念でした。ていうか今更だけどメールアドレス交換しときゃよかったんだよな……こんなところで非社交性が。いやーしかし、世間って狭いねえw