山本文緒「パイナップルの彼方」

パイナップルの彼方 (角川文庫)

パイナップルの彼方 (角川文庫)

山本文緒著「パイナップルの彼方」を再読。
(以下ネタバレ)


これって文緒さんが少女小説を逸脱して初めて書いた作品ですよね。そのわりには内容がすっげえ辛辣なんですけど。円形脱毛が出来たり灰皿で殴られたり・・・まあ文緒さんの書く女主人公はどこか性格が破綻してるとこがありますからねー、この場合も半分は自業自得だし。
この主人公・深文もなんつーか、勝手に会社の備品取ったりだとか禁止されてるバイトしたりだとか自分勝手なんだけど、何故か憎めないんですよねえ。そこが山本文緒の力量なのかも。

今日の一言
「生きてる人間が、天国に住むのはつらいよ。あそこは本当になんにもないんだから」