野ブタをプロデュース。最終回補足

えー、というわけで、最終回ということですので、印象に残った台詞をコメントつきで書いていこうと思います。最終回「ちょっと説教臭いか?」と思う部分もあったものの、やっぱり心に響いた台詞もあったわけでして。長いし、たいしたことも書いていないので、興味のある方だけどうぞ。


修二「これ以上、仲良くなるのは、いやだ。もうすぐ別れてしまうのに、仲良くなったって、悲しいだけだ」
僕も転校経験があるので、この気持ちは分からなくもないです。弟君の夢も理解できすぎて痛かったけど、それをフォローしてくれるお兄ちゃん・修二(亀梨和也)が良かったです。


修二「友達ってさ、作ろうと思ってできるものじゃないよね」
僕、実は、最初の修二の世間をなめきったような態度はあまり好きになれませんでした。でもこの台詞が、修二は変わった、っていうのを一番表現した言葉ですよね。


悟「お前って本当に苦労性だな! まずは、自分のこと考えろっつーの!」
前に野ブタ堀北真希)も言ってたけど、やっぱり修二は「周りの人をものすごく、大事にする人だから、そのために嘘ついたり、すごい我慢したりしている」人間なのかもしれませんね。だけどそういう人って、結局自分だけが損しちゃうような人生送っちゃう気がする。文化祭の回で、いいように利用されていたのが主な例えですよね。


修二「俺だけさ、残ってもいいって、父さんが言ってくれたんだよね」
彰「マジで!? 引っ越さなくていいってこと?」
修二「でもさ、自分だけなんか、好き勝手やるのはなーって……」
彰「何言ってんの? 好き勝手やんのは当たり前でしょ! 人として生まれて、自分勝手に生きなくてどぅーする!」

「好き勝手やるのは当たり前」ってのはちょっと言いすぎな感じもしなくもないですが、「自分勝手」っていうのはいつも我慢しちゃう修二にとって必要なものだと思う。


彰「何で、もっと、自分のこと、大事にしないの?」
修二「誰かの為に……っていうのはさ、自分を大事にしてない、ってことなのかな?…………俺さ、野ブタの為に一生懸命やってるときが、一番自分らしかったなあって……思うんだ。お前もそうじゃない?……野ブタだってさ、誰かを喜ばそうとしてるときが……何か、イキイキしてない?」

こういう考え方ができるってこと自体、修二はすごいよなあ。「誰かの為に一生懸命やっているときが一番自分らしい」って思ったことなんて、僕は一度もないよー。


彰「久しぶり……だね。修二の周りにいっぱい人がいるの」
野ブタ「うん……」

これはちょっと切なかった。人気者になっていく野ブタを修二が見つめていたシーンも。「人気者」になってほしいと思う反面、それが寂しいんだろうなあ。


横山「お前の悪いところは、すべてのゲームに勝とうとするところだなー。さしずめ、これだ(トランプのクラブのA)でも、2が一番強いゲームもある。自分の勝てるところで勝負すればいい」
横山先生(岡田義徳)が、初めて先生らしいこと言った! この例えにはすごく納得してしまった。2が一番強いゲームっつったら、大富豪ぐらいしか思いつきませんが。


悟「自分の中にだけしまっておきたい思い出ってあるんだよなあ。捨てられるのも見られるのもイヤだったんじゃない?」
修二の「自分の中にだけしまっておきたい思い出」の代わりとなる物ってなんなんだろう、と思ったら下のシーン。


キャサリン「一個ずつだから、今は幸せの種みたいなもんね。あとは、あなたたちの運と努力で増やして、幸せになって。その幸せを、人にもあげられる大人になってください」
きっとこの人形がその「思い出」なんじゃないかと。三人がクリスマスプレゼントとして渡そうとするシーンがありましたが、まずは自分たちが幸せにならなきゃね。我慢したりしないで。


修二「俺さ、なんか、今まで人を好きになる、っていうのがいまいちよく分かんなかったんだけどさ。なんか、野ブタのおかげで分かった気がする。なんか一緒に物を食べて、楽しかったりとか。同じ景色を見て、うわあ、この景色一生忘れねーんだろうなあって思ったりだとか。なんか、死ぬほど笑ったりとかさ。時には、心配とかもしちゃったりして。あと、もっと一緒にいたいなあ……って思ったりさ。なんか人を好きになるって、そういう……ささやかなことだったんだなあって……うん。この先、もし俺が、誰かを好きになるたびに……野ブタのこと、思い出すと思う。なんか全部、野ブタが教えてくれたんだなあって。思い出すと思う。……小谷…………ありがとな」
野ブタ「わ、たしのほうこそ、ありがとう……ってしか、言えないのが、悔しい。今、思ってること、全部伝わればいいのに。どれだけ、感謝してるか、ち……ちゃんと、伝わればいいのに……」

そうやって思える友人に出会えるってことはいいことです。ドラマの中の出来事だし……とは割り切りたくないなあ。でもこのシーン、彰(山下智久)がいないのがちょっと気になったよー。あと亀梨君って、「なんか」が口癖なんですね。


修二「俺って馬鹿だよな。いっぱい時間あったのに……まり子と楽しもうと思えば、いっぱい楽しめたのになあって」
まり子「そんなこと考えてくれてたんだ」
修二「今度あったときはさ、もっと……ましな人間になってるつもりだから」
まり子「(修二手作りのお弁当を食べて)おいしい!」
修二「ほんとおいしい?」
まり子「うん。きっと忘れないと思うよ。この味」

修二はまり子(戸田恵梨香)をただのアクセサリーとしか思ってなかったですからねー。灯台下暗しっていうの?(ちょっと違うか)もうちょっとそれに気づくのが早ければ……ああもったいない(そしてしつこい)


一平「ほうら、見送りに行くんだろうが!」
彰「行きたくないぜ♪」
一平「苦しいからって、逃げてどうするんだよ。修二とあったことも、全部なかったことにすんのか? うん? 苦しいことを投げ出すってことはさ、楽しかったことも全部投げ出すってことだぞ。いいのか?」
彰「なかったことになんて……できない、よ」
一平「じゃあ最後まで見届けろよ。な!」

おっちゃん(高橋克実)もいい台詞を毎回言ってくれたよなあ。こういう「親子じゃないけど、親子みたいな存在」だから言い合えたこともあると思う。


野ブタ「私、笑えるようになったよ。ちゃんと、笑えるようになったよ!」
まぁ陳腐っていったら陳腐な台詞なんですけれども、じぃんときちゃいまして。空を見上げた野ブタはマジで可愛かったです。


そして、最後の修二の台詞。どんな辛い境遇にあっても、自分を見捨てない人がいれば、(もちろん友達だけじゃなく、親や、周りの大人たちも)乗り越えていけると思いたいです。


修二「俺たちは、どこででも生きてゆける」