「けものみち」第三章

けものみち 第三章「本当のワル」
うーん、なんとなくグッとくるものがないなー。


女VS女のシーンは面白いんですけど、とにかく全体的にじめじめしすぎ。平幹二朗さんはすごいハマり役だと思うんですけどね……鬼頭家といい、久垣家といい、家の照明が暗すぎ。
でも腹の探り合いや、嫉妬のぶつかり合うシーンは好きです。鬼頭(平幹二朗)が「民子ぉ〜」って言ったとき、民子(米倉涼子)が現れたシーンは「おおっ」と思いました。米子(若村麻由美)は民子にかなり嫉妬心を感じてるみたいですねー。「あなたはおもちゃ。子供が寝る前にいじくれば、安心して眠れるでしょう? それとおんなじよ」って……コワー。なんかやっぱり大奥みたいだ。薬をえらい凝視してたのも気になったぞ。


しかし民子自身も、今の生活に完全に満足しているわけではなさそう。自分の作品を褒める人たちに心中で「じゃあこれが道端の露店に売ってたら、同じこと言える?」とツッコみ。そして一度は「君の目はガラスのようでむなしい」と取引を断られたはずの柏木から「これからも末永くよろしく」と言われ、鬼頭の権力の強さを実感する。「鬼頭洪太が私にもたらす現実は、恐ろしいほどに現実感がない」ときたもんだ。鬼頭に行動を制限され、すぐに鬼頭の手が回ることを疎ましく思ってるみたいだけど、まーそれは自業自得だよねえ。鬼頭の手でジュエリー大賞受賞したくせに、今更何言ってんだ……って感じでございます。


女VS女といえば、奈々美(上原美佐)は思ったよりたいした動きしてないですね……あんまりグッとしない原因はこれかも。登場人物に大きな動きがないんですよね。特に女優陣。せっかく若村麻由美東ちづる星野真里と一癖も二癖もある女優陣使ってるんだから、うまく動かしてくれないと。奈々美は「私は男を囲ったりしない」って言ってたけど、あんた民子の夫と寝て金もらってなかったっけ? 覗いてたおっちゃんもいたんだぞー*1
あとやっぱり旅館側がおろそかになりがちなのがもったいないなー。初音(東ちづる)の「死刑にでもなれば、いい気分だわあ」のあとの小滝・秦野(吹越満)・初音の空笑いのシーンは背筋がぞくぞくしましたが。



女VS女も怖かったけど、トオルVS浩市の渋い男対決も結構見ごたえがありました。民子と小滝(佐藤浩市)の関係を疑う久垣(仲村トオル)に、民子が隠れている部屋をわざと見せ、「ここは私のプライベートルームですから、捜査令状を見せていただかないと」という切り返し。うーん、かっこいいなー。有頂天ホテルみたいなお茶目な役もいいけど、やっぱこういう渋い役も真骨頂だよねえ。
しかしやっぱり正式捜査じゃないと行動が制限されちゃう、っていうのがじらしてくれていいですねー。そこらへんちょっと「白夜行」の金八とかぶってますが。
しかし、ラストのキスは唐突だったなー。冒頭の米倉嬢を抱きしめてるのはトオルちゃんじゃないのかなーと常々思っていたんで、どっちかが恋心を抱くんじゃないかと思ってたけど、なんかすごいタイミングでしたな。あそこでキスするかあ? ふつー。


来週は若村麻由美大爆発。やったれやったれ。

*1:しかしこれも立派な犯罪じゃないのか?