「白夜行」最終話

白夜行　最終話「白夜の果て」
壮絶な最終回だったなあ……

小出君再出現、典子（西田尚美）の証言により、亮司（山田孝之）の罪がどんどんと暴かれていく。やっぱり一番の失敗は松浦（渡部篤朗）の死体だよなあ。なんでわざわざ家の庭に埋めるんだろ？　そして礼子（八千草薫）に見つかったときに、死体の場所を変えようという気はなかったのだろうか。だからほら、見つかっちゃったじゃん。
徐々に追い詰められていく亮司は、再び笹垣（武田鉄矢）を殺す計画を立てる。「姉ちゃんにプレゼント」とは、笹垣を殺すことだったのかな。自分の犯罪がばれてしまえば、雪穂も危ない……と思ったってことか？　しかし、金八っつぁんの刺された時の顔といったら……怖いよう。金八とか言ってるけど、もうすでに金八のイメージなどぶっ飛んでしまうほど熱演でしたね、今回武田さんは（何故倒置法……）。袋から血のついたハサミがばさっ！　って出てきたときも怖かった。

で、「亮司は誰に殺されるんだ？」と思ってたんですけど、結局自殺でした。あのハサミの刺さり方といい、なんとなく「自殺」という選択肢は自分の中から排除していたんですけど、なるほど、ああいう自殺方法だったのか。そして亮司が死に、雪穂が事情聴取を受けることに。ここでぺらぺらと嘘をつける彼女が恐ろしくて、「うわ〜最後まで究極の悪女だったな」と嬉しくなる（何故）と同時に、一緒に「死刑台まで歩いて行こう」と思っていたのに、この心境の変化は何なんだ？　と思ったんですが、笹垣と谷口さん（余貴美子）の会話で納得。雪穂は「捕まらず、生き抜くこと」で自らに罰を与えていたんですね。雪穂にどういう制裁が下されるんだ？　と思っていたんですが、なるほどこういうことだったんだ。でもこのラスト、賛否両論だろうなあ。殺人犯が時効まで捕まらず生き抜いた、なんてラスト、ドラマじゃかなり珍しいんじゃ？「殺人犯がのうのうと生きているなんて……」と思う人も出てきそうだ。だけど自分はこのラストで大満足です。
そして、典子は亮司の子供を妊娠していた。やっぱりねえ。雪穂と亮司の息子が太陽の下で手を握り合うラストはかなりぐっと来るものがあった。見応えのある最終回だったと思います。

最初はスタッフといいキャストといい主題歌といい「セカチューの二番煎じ」と言われていたこのドラマでしたが、中盤からセカチューの欠片もありませんでしたねえ。この二人を「純愛」という言葉で結びつけるのもどうかと思いましたが……セックスしてなければ純愛なんかい。
だけど、放送コードぎりぎりで頑張ってくれたスタッフとキャストには脱帽。役者さんの演技も凄く良かったなあ。山田君と綾瀬はるかちゃんはもちろん、武田鉄矢、渡部篤朗、八千草薫、麻生祐未、余貴美子、そして子役の二人の泉澤祐希君と福田麻由子ちゃんの演技が個人的には凄く良かったと思います。
あと脚本の森下佳子さんも良かったです！「平成夫婦茶碗」や「東京庭付き一戸建て」のようなホームドラマから、「セカチュー」みたいな恋愛モノ、そして「白夜行」のようなサスペンスまで、本当幅広い脚本を書ける方なんですねえ。で、現在３５歳らしいです。若っ。