「マチベン」ファイルNo.6(最終回)

マチベン ファイルNo.6(最終回)「真実が怖いですか?」
早々と最終回になってしまわれました。


いやー見応えのある最終回だった。まさに「一瞬たりとも目が離せない」状態。本当、6話で終わっちゃうのがもったいないよ。
八重子(森下愛子)と同じ母親という立場であるたまを(中島知子)は、友香(谷村美月)を理解しようとする。ここら辺の部分が、たまを(何度聞いてもすごい名前だよ)という人物像を掘り下げて描いていたら、もっと胸に響く展開になったんじゃないか……と惜しく思ってしまいました。もちろん、たった6回でそれを描け、というのは酷な話なんですけれども。だけど、たまをが「あの子(友香)の人生がむちゃくちゃになってしまうかもしれへんねんで!?」と涼子(江角マキコ)に食ってかかるシーンはちょっと納得できず。だって、どんな理由があるにしろ、殺人犯したんですよ? それだけのことをしたんだから、それは自業自得だと思うんだけどな。


「法廷は簡単に騙せる」と、保(竜雷太)。「法廷への復讐」という言葉が妙に的を射ていました。自らの身をなげうって孫娘を助けようとした保と、命に代えても娘を守ろうとした八重子。そこまでして友香をかばってたわけだけど、その友香自身が罪の意識に押し潰されそうになっていた、というのが皮肉だった。2人は友香を助けようとして、逆に苦しめてたんだもんなあ。
だけど、まああれは、殺したとまではいかない犯罪でしたね。あれだけすったもんだしておいて、あれかいな、とちょっと拍子抜けしたんですが……


このドラマは、主演の江角さんがとにかく良かった。さすが、すっぴんで臨んだだけあるというか。「ショムニ」以来のはまり役じゃないですか? 特に、ラストの法廷シーンでの竜さんとの掛け合いは見応えがあった。あのシーンは、本当凄かったですよ。まあ、あそこで検事が一言も異論を挟まないっていうのはおかしいっちゃおかしいんですけど、そこはドラマの気勢がそがれちゃうから、仕方ないんですけどね。
そして、脚本の井上由美子氏。「エンジン」があまり好みじゃない話だったんで、ちょっと不安な部分もあったんですが、いやいやかなり面白かったです。ただの犯人当てや意外性を求める事件というだけでなく、その事件の当事者の内面をえぐるような展開だったのが素晴らしかったです。
村山さん(小林隆)の過去の事件が明かされてないこともあるし、もしかしたら続編も望める? これは是非続編希望です。このクオリティを保ち続けてくれるなら。


その際は、沢村さんの出番を増やしてあげてください。沢村さん、地味すぎ。