「DEATH NOTE<前編>」

おぉお、まったく期待せずに、ただちょっと興味本位で観ただけだったのが功を奏したのか、面白かったです! 前編に限って言えば、実写化は成功ですね。原作未読の方にも大丈夫なようにかなり分かりやすく描かれていたし(だけどもっと複雑になってくるのは後編だから、そこらへんが正念場?)いらないと思っていた秋野詩織(香椎由宇)も、かなり活躍してました。


以下は映画・コミック両方のネタバレを含みますので、ご注意ください。



では、映画と原作の相違点でも挙げていこうかと。もう一度言いますが、コミック部分のネタバレにも触れますので、映画だけしか観てなくてコミックも読もうと思っていらっしゃる方は、充分にご注意を。あと、最終回付近の部分にも多少触れている箇所があります。単行本派の方もご注意を。


・ライト(藤原竜也)の設定
高校生ではなく、大学生なのは、まぁ藤原君の年齢上仕方ないですよね。でもなんかライトさん、注意力散漫になってません? デスノートの隠し方法は、まあ仕方ないとして(引き出しを開けたら火が吹き出すとかいうやつ)、堂々と道端でリューク(声:中村獅堂)に話しかけたり(しかも後ろから尾行されてるし!)レイ(細川茂樹)に「あなた、僕のこと尾行してましたよね?」とか言っちゃったり。なんかすぐに足がつきそうで怖いよ。賭け事したりとか、店先のリンゴ勝手に取ってリュークに食わせたりとか、そんなのライトじゃないよっ! と叫びそうになってしまいました。


・台詞
リュークデスノートを使った人間が、天国や地獄に行けると思うな」
この台詞、なかったよね? ミサミサ戸田恵梨香)が「私、天国も地獄も行きたくない!」とか言ってて、もしかしたらこれが伏線かなーとも思ってたんですが。でも、原作通りのラストにはならなそうだな。松田も活躍しそうにないし。
ライト「僕は、新世界の神になる!」
これ、ありませんでしたよね? ちょっと記憶が曖昧なんですが。これ、デスノートの中でも色んな意味で名台詞だったと思うんで、ちょっと無くて残念。
ライト「さよなら、レイ=ベンパー」(原作ではイワマツではなくベンパー)
リューク「あの小型液晶テレビ、39800円だろ?」
前者は、名前が「イワマツ」になってしまったからなくなっちゃったのかなーとも思ったり。後者は、「ライトは手段の為には金も惜しまぬ」ということを示してる演出箇所で結構良かったと思っていたところだったんで、無くて残念。

・脇役キャスト
渋井丸拓男
なんか超極悪人になってたよ。
警官たち
なんか女警官いるし……相沢がブロッコリー頭じゃないし……

南空ナオミ瀬戸朝香)の行動
途中からナオミがライトのことを露骨に疑い出して、なんのこっちゃと思ってたんですが、あーまさかあんなラストになるなんて! ライト=悪魔、という図式があれで完璧に出来上がって、オリジナルキャラの詩織とナオミをうまく使った展開だと思いました。


やっぱり原作がしっかりしてるし、無駄な部分を省いていたのでテンポよく見られました。オリジナル部分も良かったし。ミサミサがテレビに出てるのをリュークがじっと見ているのを観て、もうミサミサデスノートを手に入れたのかな、と思ってたんですが、まだだったのか。じゃあ何で見てたんだー?
L役の松山ケンイチさんはキャスト決定のときは非難轟々だったのですが、結構ハマってたんじゃないでしょうか? 最初はちょっと違和感あったけど。
ライト役の藤原竜也君は、さすがといった感じ。「無邪気さと狂気を持ち合わせた役」をやらせたら右に出ないんじゃないかなー(あの八重歯も効いてる)。一応悪を裁くっていうのも、無邪気っぽいですしね(ほんとかよ)。だけど、字は本当汚かったね……謙遜じゃなかったのか、藤原君。


ライトの作戦にも恐れをなしたけど、そのあとLがコンソメポテチを持ちながらライトの目の前に現れたときはゾッとした。うーん、これは後編が楽しみだなー。ガッカリした終わり方にならなければいいけど。だけど、11月ねえ……長いな。