「ビバ!山田バーバラ」後編

後編も楽しかったですー。いやあ、楽しませてもらいました。


純(内田朝陽)の父親・天(杉本哲太)は、実はバーバラ(中島唱子片瀬那奈)の元彼だった。それに対してときめくとかそういうんじゃなく、「積年の恨みを晴らしてやる〜!」となっちゃうのが、なんだかねえ。しかもその復讐って、天に嫌いなもの食べさせたり、お酢をお水だといって飲ませたり、雑巾で服を拭いたり……という、しょぼしょぼなものだったし。
でも、実は些細な誤解から破局に至ってしまったことを知るバーバラ。そしてあのハンカチを大切そうに持っていたりとか、すぐにオバさんバーバラがバーバラだと(ややこし)分かったりとか、そんなところを見せられたら、そりゃーバーバラも惚れるってもんさ。女子高生たち(何故か毎回あじゃ率いるケバケバ軍団)からの悪口に対しても擁護してくれたりしてるしね。
その時点で純と別れて、本当の姿で天と付き合えばいいものを、そこは山田バーバラ。一人二役で純と天を親子どんぶり状態。あのレストランと家を往復しまくってたけど、一体どんだけ距離あるんだか。


海外留学に行くと嘘をついて純の前から姿を消したバーバラだったが、それでもやはり諦めきれない。そしてまた純の前に現れるものの、「周りを巻き込むな、迷惑なんだよ!」と突っぱねられてしまう。そこまではまだいいとしても、その後また「バーバラに会いたい」と言い出したりなど、前回もちょっと思ったけど、純の感情設定がまちまちで、物語の都合上踊らされている、という感じがしなくもないんんだよねー。
そして、純にバーバラとバーバラママは同一人物だったということを告白するバーバラ(だからややこしい)。もしも自分が純の立場だったらどうか? と考えてみて、やっぱりいくら内面がいいとはいえ、オバさんが年齢・姿を偽って自分と付き合っていたら……と思うと、やっぱりちょっと「気持ち悪い」と思っちゃうというか。この2人はAどまりで(え? 表現が古い?)まあ傷は浅かったかもしれませんが。
そしてラスト。自殺しようとするバーバラの前に、純と天が現れる。「俺たちは、お前の内面に惚れたんだよ!」って、えええ〜〜! ですよ。要するに、今までどおりバーバラとバーバラママの二重生活を続けていくってことだよね。おいおい、都合良すぎだろ、とは思うものの、「ま、いっか」と思ってしまうんだよねーこのドラマの場合。だけど、天はともかく、純が「お前の内面に惚れたんだよ!」というのにはちょっと説得力に欠けたかも。どうも、そういうふうに思える描写がなかったんだよね。2話構成だったからそこまで描ける余裕がなくて、仕方がなかったかもしれないけど。
あと、最後は片瀬那奈ちゃんを出したかったのは分かるけど、そこで雨が降って中島唱子になる……ぐらいの演出は欲しかったなー。あそこが若いバーバラのままだと、なんとなく「内面に惚れた」という言葉に説得力が持てない気がして。
最後のシーンの、バーバラが叫んだ内容が分からなかったのが残念。


とにかく、主演の山田バーバラが異様に前向きで、普通に考えれば身勝手なんだけど、なんとなく憎めない、っていうのを片瀬那奈ちゃんがすごくうまく演じてたと思います。本人もすごく楽しそうに演技してたもんな〜。やっぱりこういうコメディドラマは、演じる役者もイキイキとしてないと。今回の金曜ナイトドラマはこれでいいんじゃない? とも思ったけど、2話完結というスピーディさが逆に良かったのかもしれません。何も考えず、頭空っぽで楽しむことができたドラマでした。