「魂萌え!」第一回

魂萌え! 第一回「混乱」
「萌え〜」とか言う奴出てくるんだろうなー。ちなみに原作は未読です。


桐野夏生原作、高畑淳子連ドラ初主演(多分)ということで興味が湧いて見てみました。(だからってわけじゃないけど今「グロテスク」読んでる途中です)うーん、やっぱりNHKは侮れん。最初はなんかやかましいなーって感じの印象だったのですが、高畑さんと高橋恵子さんのシーンが息を呑むほど緊張感があった。下手すれば昼ドラ調になってしまうところを、うまく脚色してあるなーといった感じ。桐野作品にありがちな悪意剥き出しの人もこの作品ではルミ子と長男ぐらいか?(まあルミ子は悪意というか、ただ単に空気読めてないだけなんだけど)


・関口敏子(高畑淳子
いや〜やっぱ高畑さんは演技上手いね。ベテランの凄みがありますもんね。とりあえずナレーションと、取り乱した後の振り乱れた髪を垂らした形相が恐ろしかったです。
子供たちが財産目当てで*1争っていますが、それよりも愛人の存在のほうがショックだったんでしょう。で、その存在に10年も気づかなかった自分自身にもショックを受けてるんだろうなあ。


・伊藤昭子(高橋恵子
なんだ、この人にも家族いるのか……(予告より)どうせあの蕎麦屋だって隆之(大和田伸也)に援助してもらったんでしょ? 多分桐野作品の女性だし、このままただの日陰の女では終わらないんだろうなあ。しかし気付く発端となってしまった蕎麦教室の先生ですが、もうちょっと気を遣いましょうよ……


・関口彰之(山本太郎)、関口由佳里(猫背椿
山本太郎はヅラと眼鏡で随分印象が変わるなあ。「親父から電話があったんだよ、家を継げって」なんて白々と言って、あームカつく。由佳里も悪気がない感じなのが逆にタチ悪いな。


・関口美保(酒井美紀)・マモル(杉浦太陽
美保は今のところ敏子の味方だけど、どうなるか分からないからなあ。マモルと「金があれば……」みたいな話が出てたのが気になる。そういや、杉浦太陽ってあんなに幼い声の人だったっけ?


・敏子の友人たち(小柳ルミ子、仁科亜希子、木野花
とりあえずルミ子うるせえ。


・野田(宇梶剛士
妙に敏子に優しいと思ったら、実は霊園の委託販売員だったと。まさか出番がこれだけではないと思うのですが、宇梶がただの良い奴で終わるはずがないと思っております。


とにかく第一話の見所はやっぱり敏子と昭子のシーンだよなあ。ペディキュアを見てなんとなく苛立つ敏子の気持ちも分からなくはないし、「主人、あなたと無理したんじゃないかしら」*2と言い放つシーンは恐ろしかった。昭子が帰った後口紅がついたマグカップを見て逆上し、カップを割り香典を破り夫の物を破棄……という一連の行動は物凄い迫力でした。だけどその後野田が来てそそくさと破った香典を隠したり、「ご近所の目もあるし、夜中には出せないから……」と野田にゴミ袋を部屋にしまってもらうシーンとかは現実的で、妙に凄くリアルだったのが印象的です。


全三話なのでさすがにテンポはいいですね。1時間があっという間だったし、これから敏子が変わっていく様子も興味があるので、あと二回楽しんで見たいと思います。

*1:財産目当てとか言ってるけど、この家ってそんなに財産あるようには思えないんだけど……ただ単に家目当てってだけか?

*2:つまり、あんたと無理してセックスしたからうちの主人は死んだんじゃないか、ということ