歌野昌午「葉桜の季節に君を想うということ」

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

これは見事に騙された。オチで久々にびっくりしたよ。つーかこのオチに気付く人なんているのか？　一応それに繋がる伏線は張ってあるけど、かなり曖昧な感じだし。あ、最後の脚注みたいなのは読まない方がいいですよ。ネタバレの宝庫ですから。しかし人間の先入観って怖いねー。狙った書き方だとはいえ、明言してるわけじゃなかったもんな。
しかしこの小説このミス１位だし、映像化しそうだなあと思って読んでたんだけどこりゃ無理だわ。あとシリーズ化も無理だろうね、ある意味一発ネタだし。だけどこの題名はちょっと微妙かも……綺麗すぎるっていうか若干狙ってる感もあるよな、これ。

オチの事しか語っていないので内容もネタバレにならない程度に。文体は結構読みやすかったです。途中でヤクザの話が挟まってくるんだけど、これがちょっと長ったらしかったかな。ストーリーに大して関わってこないし。何を伝えたいかは充分分かってるつもりなんですがねえ。