「震える舌」

泥遊びをしていた少女(若命真裕子)が、指の傷口から感染し、破傷風にかかる。光や音に過剰反応し、痙攣を起こし、舌を噛む。破傷風にかかった少女とその両親(渡瀬恒彦・十朱幸代)の闘病の様子を描く。

震える舌 [VHS]

震える舌 [VHS]

20年以上前の映画。まあ知る人ぞ知るって感じかな。評判には聞いていたけど、確かにこれは怖い。まずね、ポスター自体が怖いんですよ。載せるとちょっとあれなんで、気になる方はぐぐってみてください。正直なところ下のなんかより、かなりホラー映画っぽいのですが、これをホラーとくくってしまうのはちょっと良くないかもしれません。ただ「破傷風」という病気に対しての恐怖映画ではあるかもしれませんが。ただ画面もやたら暗いし(全然画面が見えねー)、監督は少なからずそういう意図を加えて撮ってることは確かかと。
そして子役の演技が凄すぎる。えびぞりになって「うぎいいいいいいい!」と絶叫するシーンは心臓が締めつけられるようでした。「乳歯だったらいいだろう」と抜歯するシーンなんてもう……ううう。血液の描写もやたら生々しいし。父親が見る夢の内容も辛かったです。そして十朱幸代のだんだんとおかしくなっていく母親の演技も凄い。


後半はちょっと演出過剰になった感じは否めないし(病原菌に語りかけるのはちょっとどうかと……)終わり方もえらいあっさりしてて「え?」って感じなんですが、医者が「この子の命だけは助けたい!」とか躍起になるわけではなく、あくまで家族側の方向からしか描かれていないのが下手なドキュメンタリーよりもよっぽどリアリティがあって怖かった。映画の80%が病院内のシーンなんだもんなー。


ホラー映画と言っておいてあれなんですが、そういう観点で観始めると辛い映画かもしれません。少なくとも観返したくなる映画ではなかったことは確か。観ていて精神がすり減る映画ですのでご注意を。