少年メリケンサック

クドカンは「タイガー＆ドラゴン」からわりと万人受け路線を走ってる感じなのは気のせいでしょうか。だって以前は「クドカン脚本」で客引きできるような脚本家じゃなかったのにー。まぁ僕はというと、クドカン作品は面白いとは思うけどそこまで好きではない、っていうタイプなんですけどね。
で、今回の少年メリケンサック。面白かったよ、面白かったんだけど。でも同じ音楽モノの映画としては前やってた「DMC」の方が好みです。展開がなんかざくざくしてるというか、登場人物の感情があまり描かれないまま突っ走っている感じがして。＜ネタばれ：一番「ん？」って思ったのは、今まで演奏がへったくそだったメンバーがいきなり上手くなるところ。あそこらへんはかんながいなくなってようやく…ってことなんだろうけど、それにしてもちょっと分かりづらすぎ。結構重要なシーンだと思うんだけどなぁ…＞
テンポもそんなに良くなかったしねー（回想シーンがちょっと多すぎる気が…重要なのは分かってるんだけどさ）。うーんやっぱクドカンは連ドラ向きなんじゃないかなぁ。たぶんテーマは兄弟の絆の修復なんだろうけど、そこまでいくのもちょっとあっさりしすぎて……だってどなたかも書いてらしたけど、二人のしてることがはっきり言って洒落にならないんだもん。修復どころじゃねーっつの。

あーでもキャストは素敵でした。あおいちゃんマジお疲れ……頑張ってたと思うよ、うん！　ただ最近どーもどんな役も似た感じに思えてしまうのが一ファンとしては辛いところですが。そして佐藤浩市がぷよってたのに一抹のショックが。まぁ役柄としては適してるんだろうけど。あとは田口トモロヲが美味しかったなぁｗ役柄が美味しすぎる。ネタばれなしの感想を見て回ってたら「農薬」とか書かれてて、「なんのこっちゃ？」と思ったけど、あぁこれかぁとｗこれは笑った。勝地君は見事に気持ち悪くて良かったです。そういやあおいちゃんとは「ちょっと待って、神様」以来ですな。
そして一番面白かったのは田辺誠一ですよ！　まさか田辺さんがこんな役を、ってのもあるんだけど、ちょっとしか出番がないのにインパクトが強烈過ぎるｗ映画自体は観返さないだろうけどこのシーンはもっかい観たいわー。

で、やっぱオチがねー。映画はオチというか締め方が大切だと思ってる僕にとってはちょっと、いや結構不満。終わり良ければ〜とは言わないけど、締めが綺麗なだけでだいぶ印象が変わると思うよ？（ちなみにマイベスト締めはジョゼ虎。あの締めは素敵すぎる）