「カイジ〜人生逆転ゲーム〜」

ざわ…ざわ……いやー面白かったです。満足満足。原作は未読なんですがそれでも充分に楽しめたし、原作ファンの人も楽しめるんじゃないかな。ちゃんとBGMもざわざわってたし。あと語尾に「……っ!」って付きそうな台詞もあったし。ただ結構詰め込んでるなーという感じはしたので、もしかしたら原作知らない方が楽しめるのかもしれん。


どうやら原作よりもだいぶゲームの内容が簡略化されてるようですね。でも映画って小難しくちゃいけないっていうのが持論でして、何故かというと何度も読み返せる小説や漫画、録画できたりするドラマとは違って何度も気軽に観返せたりできないからです。その点では映画版デスノートは色々失敗してると思うんですけど(面白かったとは思うけどね)この映画に関してはゲームのルールもすんなりと入ってきて分かり易かったです。尚且つ心理戦もきっちり組み込まれてたと思うし。
鉄骨渡りは心理戦とはあんまり関係ないんだけど(ある意味心理戦か)見てるときハラハラした……あれ心臓に悪すぎ。高所恐怖症の人見れねえんじゃねえか? ってレベル。役者も大変だっただろーなーw
ただこういった賭博系のお話でありがちなとおり、どうしても台詞が説明的になりすぎてたのが気になりました。まぁ船井(山本太郎)が「女みてーにうじうじうじうじ言いやがって!」とツッコんでましたがw


何よりキャストがみんな芸達者なのが良かったなぁ。最初カイジ役が藤原竜也君だと聞いて「藤原君か……彼の演技は好きなんだけど、ダメ人間役ってあんまりやったことないよなー。あの可愛い顔でダメ人間って」と思ってたのですが、そこはさすが藤原竜也、見事にダメ人間を演じてました。冒頭おねえちゃんのおっぱい見てにやつく顔見て「さすが藤原竜也、気持ち悪い……!」と感心、遠藤(天海祐希)の前で泣き出す姿が気持ち悪く、まぁいつも通り多少オーバー気味というか舞台寄りの演技な藤原君でしたが、そこが今回功を奏したのではないかと。ヘタレなところはきちんとヘタレ、かっこよく決めるところは決めてたのがさすがだなぁと。見事な泥臭い演技でした。
遠藤は原作では男らしいですが、映画では女性に変更。でもこれ良かったと思う。天海ねーさんがいなかったらきっと画面は男だらけで暑苦しかったことでしょう。それでも相変わらず男前だったんですけどね。
松ケン先輩もデスノートコンビを狙ったあざとい友情出演程度なのかと思えば意外ときっちり出番があった。ちょっと銭ヅラってたし。松ケンも泥臭い演技上手いよなー。ここらへんも上手いキャスティング。
一番素晴らしかったのが香川照之ですよ。後半は彼のお陰でだいぶ盛り上がったと言ってもいいんじゃないかな。あの表情筋の動かし方は素晴らしい! 悪役過ぎず、中ボスっぽいところも良く出てたと思います。ラストは心理戦というより藤原君との演技対決だったなー。いやーこのシーンは緊張感があって素晴らしかった。
ただ会長役の佐藤さんが個人的にはもっと迫力が欲しかったなぁ、と。なんか続編も考えてるんだよね? となると佐藤さんの出番も必然的に増えてくるだろうなわけで。そこがちょっと残念です。
あともたいまさこ吉高由里子ちゃんが出ててびっくりしたw


以下ネタばれです。



何より良かったのが、最後の逆転の理由が「利根川香川照之)の頭の良さを逆手に取って」っていうのはいいなーと思いました。まぁ出来過ぎ感はだいぶ漂ってるんですが、それはこういうお話の場合仕方ないかな。しかし利根川の心の声が面白すぎたw 特にカイジが血のついたカードを出したとき。あんた喜びすぎだろう、とw
結構気になったのが、シーンが変わるごとにカイジの様子がころころ変わってしまっていること。たとえば地下帝国では薄汚れた格好だったのに、タワーに登ったときは顔が綺麗になってたりとか、鉄骨渡りの時にはびしょびしょだったのに、Eカードが始まる前は髪の毛がさっぱり乾いてたりとか。まぁ撮影はEカードから遡って撮ってたから仕方ないっちゃ仕方ない……のか?


あと石田のおっさん(光石研)は「きっと最後に裏切るに違いない……」と鉄骨から落ちるまで思ってました。突き落としたりするんじゃねーかとか。いやあ最後まで超いい人でしたね。だって光石研だったし……(いいわけ)