クヒオ大佐

そこそこ面白かったです。ただ、結婚詐欺師モノという面白そうなテーマを使っていながら、どうも微妙に使いきれてない感じはあったなぁ。まず騙す男側か、騙される女側か、どちらかに焦点を置いたのかはわからないけど、どっちに置いたとしても作品とは微妙な出来。クヒオ大佐のいい加減なキャラクターからして、詐欺したりされたりする緻密なサスペンス系ではないことはもちろん分かってたんだけど、コメディとしてもちょっと微妙なんだよなぁ……せっかく騙される女性の三者三様ぶりが面白く描かれてるのに、全然掘り下げられてないから、とても散漫な印象がつくんですよね。まず尺不足なのかも知んない。クヒオ大佐の化けの皮が剥がれるのもちょっと早かったように思えるし、春(満島ひかり)もあっさり騙されすぎだし。二時間で三人をじっくり描くのはやっぱり難しかったんじゃないかなあ。
クヒオ大佐堺雅人)のいい加減な詐欺師っぷりは面白かったです。ここまで徹底的に薄っぺらに書いたのは評価できるかも。言うこと言うことワンパターンな上誰かの受け売りだったりするし、往生際悪いし、この適当さ加減は良かった。変に女性陣に対して同情心を湧かせたりしたりしないところもね。あ、拳銃が靴下に入ってたのはちょっと面白かったですw


冒頭に良く分からない小芝居があったんだけど、はっきり言ってあれいらなくねえ? 日本とアメリカの格差社会どーのこーのを書きたかったのかもしれないけど、この映画においてはそれはかなり不必要。内野聖陽の存在意義も一体何だったんだか……あのシーン削ってもうちょっと本編の尺増やしてもらいたかったよ。
あと「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」でも思ったんだけど、ラストに向かうところからの演出が色々ときつい。途中までは良いのに、最後の方になると唐突に変な方向に向かい始めるよなーこの監督。


キャストはやっぱり堺雅人につきる。堺さんが主演じゃなかったら魅力は半減してると思う。あの胡散臭い笑顔が素敵でした。結局一度もまともな日本語発音しなかったんじゃないか?w
ちなみに堺さんの尻の割れ目も拝めますよ。と一応報告。