『胡桃の部屋』総括

ま、一言で言ってしまえば「あの短さの短編をこの長さに引き延ばすのは無理があったね☆」ですかね。といっても実は原作は読んでなくて、本屋でぱらぱらっと立ち読みした程度なんですけど、でも2,30ページぐらいの本当に短いお話なんですよね。それをドラマにしてるので、どうしてもやっぱり無理があったかなという印象。だらっと間延びしてるんじゃなくて逆に詰め込み過ぎっていうね。といってもドラマの脚本ともなってる作品だから、もしかしたら逆に短すぎたのかもしれないけど。ともかく何が言いたいかというと、家族それぞれの立場がしっかり描き切れてない印象が強かったんですよね。最終回でばたばたっと解決してしまった感じ。それも解決の仕方が別にうまかったりするわけでもないんだよなあ。あと、忠(蟹江敬三)が倒れたことで解決の糸口を開いていくやり方も個人的には気に入らないなあ。先週のラストで「おおおっ!」と思っただけに、ちょっと残念でした。
ただ、家を売って、扉を閉めるシーンで終わったあのラストはとてもよかったです。家族っていうものに縛られてたあの一家が、それぞれの道を選んで、胡桃の部屋=家を売ることによって真の意味で解放されるっていうのを示唆しているのはよかったな。だからこそ家族についてもっとじっくり描いて欲しかったなあ……って思うんだけれどもw


随所随所「おっ、いいな」「うまいな」と思うシーンはあったものの、グッとくるほどに繋がるものじゃなかったのがちょっと残念でした。竹下景子も熱演だったんだけどあのぶっ壊れ演技がホラーにしかなってなくて心情が伝わってこなかったのがなー。なんかいろいろと惜しい、と思っちゃうドラマでした。少なくとも『下流の宴』の後にやったのは間違いだったのかも、あれはすごく質のいい家族を中心としたドラマだったし……
あ、最終回で一番びっくりしたのはいつの間にかくっついてたリエ(江口のりこ)と塚本(松尾諭)でしたw ほんといつの間にってかんじだったわww