「あいのうた」最終回

あいのうた 最終回「あなたに逢えてよかった」
最終回ということで、まずは登場人物一人ひとりについて語ってみたいと思います。


・あいちゃん(菅野美穂
なんか、初期の方が好きだったな、性格……なんか、ひねくれ者だけど、ちょっと優しい一面も覗かせることもある……みたいな? 後半はちょっといい子すぎてだめでした。悟りすぎ。優二(玉置浩二)が死んだ後は、きっと子供たちを彼女が引き取ることになるんだろうけど、仕事ってファミレスのバイトだけでしょ? そんなんで子供3人食わせていけるの? なんて余計なお世話を思ってしまいました。なんかこのドラマ、たまに現実味が欠けているところがあって、それが鼻につくんだよなあ、妙に。
彼女の母親(芳本美代子)は結局回想でしか出てこなかったけど、なんとなく寂しい人生しか送ってないような気がする。いつまでも傍に男がいるわけないだろうし。


・片岡優二
結局最後まで死なず……おいおい。「ラストプレゼント」のときも似たような設定で最後も死ななかったけど、ちょっとこれはどうよ? ってそのときも思ったんですよ。最後、ばたばたと都合よくみんながそれぞれの思いを解決していくのを見て、僕はてっきり優二はもう死んじゃっていたもんだと思ってたんですけどねえ。「菊次郎とさき」の草笛さんみたいに、最後に遺影だけぽつんと、みたいなのでもよかったんじゃないの? 僕は「菊さき」でそれを見たとき、すっごいズシンときたんだよな、確か。
そういや玉置さん、このドラマの為に10キロ痩せたそうです……役者魂ですな。すげえ。


・榎本房子(和久井映見
優二があいちゃんのお父さん的存在なら、房子はお母さん的存在。彼女のキャラは最後まで飄々としていて好きだったなー。公園のベンチであいちゃんを抱きしめるシーンは良かった。何より、和久井映見が可愛かったです、すごく。35とは思えないなあ。


・飯塚英樹(小日向文世
手品のシーンはなんかみんな素な感じで良かったです。なんであそこの店でやるかは謎だけど。しかし彼は最後の最後までいじられキャラでしたねー。亜希(山内菜々)には「やあだ〜〜!」って言われちゃうし、房子には毛糸しか渡されないし*1しかし、房子に告白しちゃうのはありなのかなー。だってこの二人、今まで友達だったわけでしょ? 最後に思いを決着づけるための展開だったんだろうけどさー。そういう点では「ごめん。今は色々恋したいんだ。いつか危険な恋に疲れて、優しい人でいいか、みたいな時が来たときに」っていう答えはアリだったのかもしれませんね。


・柳沼佑介(成宮寛貴
最後まで鈍感君でしたな。ラスト「もしかして、ももこちゃん(佐藤寛子)が好きな人って……」って言ったとき、「片岡さん?」なんてボケをかましたらどーしようかと思ってましたが、さすがにそれはなかったか。
……で、えーと、実はそんなに語ることがなかったりして。最終回、これといって目立った場面もなかったし……あ、僕も下の名前忘れてました。はい。


・牧野秀子(岸田今日子
何気に毎回いい台詞を言ってくれてたりしていたこの人。最終回は、
「人間はね、命があるんだから生きてるんじゃなくて、生きたいから、その為に命があるの」
という格言を残してくれました。でも、どーしても医者に見えないんだよね、この人……


・子供たち
ちょっと子供たちは、物分りが良すぎるなあ、って先週から思ってまして。また引き合いに「ラストプレゼント」出してきちゃうんですが、天海祐希の娘(福田麻由子)は結構塞ぎ込んでいた覚えがあるんですよね。それにくらべると、随分あっさりしているなあと。特に亜希は。長男の大(佐藤和也)はまぁ長男だから「自分が頑張らなくちゃ」と思っているのかもしれないし、次男の隼(渡邉奏人)はまだ4歳だから「死」に対しての実感はあまりないのかもしれないけど、亜希はまだ6歳でしょ。よく耐えられるよな、と思ってたら、手品のところで泣いてしまう亜希。これはちょっとぐっときたなあ。「プレゼントはいらないので、ずっとお父さんをうちにいさせてください」っていう手紙を優二が読むシーンも、、ベタながらもちょっとうるうるしてしまったり。


・特別出演(近藤芳正
一体彼には何の意味が……


最終回の雰囲気はじめじめしてなくてよかったんですが、みんなの「いい人ぶり」がちょっと空回りしているところがあったかなあという感じは否めなかったなあ。あと後半なかなかノれなかったのは、前にも書きましたけど「擬似親子」の枠を超えて恋愛にまで発展させてしまったのも原因の一つなのかもしれませんが、「悲しい泣かせ方」が増えたのもその一つかなあ。気付いたんですが僕、「ほら、悲しいだろー、泣けちゃうだろー」っていう感じの感動系ドラマって好きじゃないんですよ。だから、最終回に人が死ぬドラマって本当苦手。このドラマって最初の方は「あいちゃんがだんだん世の中の喜びを知っていく」って感じだったじゃないですか。だからそれはつまり「嬉しい泣かせ方」だったわけで。僕、反対にそれにすっごい弱いんですよ。だから多分それもあるんじゃないかなあ。
あと、なんか岡田惠和って、女に幻想持ちすぎなイメージありますよね。そこがちょっと野島信司と通ずるところがあったりして。これだって、「最後は若くて綺麗な女に看取られてぇよー」っていうメッセージがちょっと感じられた気がして。「恋文」でも「こんなダメ男に和久井映見水野美紀みたいな綺麗な女がくっついてくるわけないじゃん、エロゲでもあるまいし」(最悪な例えだ……)って思ったんだよなあ。近くにいる女だって、今流行りの(?)ツンデレ系と不思議ちゃん系だったしね。


総括すると、前半◎、後半△といった感じ。何度も言うけど、恋愛を絡ませたのはやっぱり失敗だよー。でも、前半はすごく良かったです。だからこそ、後半がもったいないんだけどね。

*1:これはさすがに可哀想だった