「セクシーボイスアンドロボ」VOICE02

セクシーボイスアンドロボ VOICE02「ごぼ蔵」
ゲストは村上淳。そういやすいかにも出てたな。

「人って何でこう恋愛話が好きなんだろう。恋愛してないと人として見てくれない。だからとりあえず、みんなには高村君を好きって事にしてあるけど……マジ面倒臭い。洋服みたいにとっかえひっかえ相手を変えるくせに、何が運命の人だ。わけわからん」

うーん、面白かった。面白かったけど、かなり万人受けを狙って書いている感じがするなあ。まあ初枠だし、そこらへんは仕方ないのかもしれないけど(でも視聴率は望めないだろうなあ)。まあ僕が個人的に生死を扱って泣かせる話、っていうのが苦手な事もあるとは思いますが。今回は生死を扱う話とはちょっと違う気もするけど……ただかなりストレートだった。説教臭い部分も前回に比べるとこそげ落ちてて、その代わりコメディ要素が多い回でもあったかな。個人的には前回と今回をミックスした感じのが一番好きなんだけどね。そして今回はニコ(大後寿々花)の声の使い方が素晴らしかったですねえ。ケータイの伏線もきっちり効いてたし。ここらへんは上手いなあと思うんだけど、いかんせん原作を読んでいないのでどうも比較しにくい。というわけで読んでみようとは思っているんですが、読んだら読んだで比較しすぎそうな予感もする。
ちなみに今日のテーマは「代わり」(ロボ@松山ケンイチの代わりに合コン・代わる、っつーか換わる脚や仏像やパン・すずちゃんの代わりに謝られる女性)「この世のどこかにある」(仏像・死んだ彼女の面影・好きな人)ってところでしょうか。



で、僕がやっぱり気になるのはこのドラマの非現実性の扱い方で、偶然美容室に居合わせたロボとニコが偶然強盗騒ぎに巻き込まれて何となく成り行きで一緒に旅をする事に……って、おいおいおいって感じなんですけど、そこを上手く綺麗にストーリーとして成立させられているのが木皿さんの凄いところだと思う。「どうせドラマだしね」と割り切る事ができないストーリーがやっぱ好きだ。それはやっぱりさりげなく(そうでもないか?)現実臭いシーンが取り入れられてるからかなあ。今回グッときたのはごぼ蔵(村上淳)のすずちゃんに対する思いの吐露ではなく、すずちゃんの肝臓を持つ奥さんと旦那さんの「俺たち、長生きしような。イヤってぐらい、長生きしような」「うん」って会話。ここすっごい良かった。あと留守番電話ね。最初は「何で留守電メッセージの後に『あ、おかえり』って入ってんだ?」って疑問だったんですけど、これって多分留守電のメッセージを吹き込んでいるところにちょうどごぼ蔵が帰ってきて、それに対してすずちゃんが「あ、おかえり」って言ったって事なんだよね。まあ「普通は録音しなおすだろ」って言われたらそれまでなんですけど。だけどなんかそのメッセージを繰り返し聞いて「ただいま」って答えてるごぼ蔵、という視点で見ると、かなりくるものがありました。要するにこういう現実臭さが秀逸だと思うわけです、僕。


あとキャスト。色々なコンビがいるわけですが、かなりいい味になってきたのではないかと。塚本監督とはいりの夫婦は濃ゆいねえ。正味1分程度しか出番がなかったのに何か妙に印象に残るよ。「こういうときに犯罪とか起こるのかしらね」って、なんか怖っ!
マキ(浅丘ルリ子)と名梨(岡田義徳)はやっぱり相変わらずいい感じですね。つーか名梨がいい味出しすぎ。革ジャン好きすぎるのにも笑ったけどあのパンで仏像作るなんてもはや職人技。
ロボとニコのコンビも、初回に比べてぐっと良くなった気がします。「幼稚だけど実は大人なロボ」と「大人っぽいけどやっぱり子供なニコ」のバランスの調和が良い。ニコが聞いた間違い電話の相手はこれからも出るのか? 僕は別段良い声だとは思わなかったんだけどね。そして寿々花ちゃんはナレーションも上手いな。エンディングの歌はどうも好きになれないんだけど、そこにナレーションが被って、歌が唐突に切れて一言→タイトル、という一連の流れがゾクゾクくる。


来週のゲストは香椎由宇ちゃん。「三日坊主」「ごぼ蔵」とあだ名がタイトルになってるので、来週は「お歯黒女」(だっけ?)がタイトルか?

「私も、取り替えられない人に出逢えるのだろうか。もし、そんな人に逢えたなら、どんなに心強く生きていけるだろう。逢えるかどうか分からないけど、逢えなくても、どこかにそんな人がいると思っただけで、どんなに明日は楽しいだろう。……そっか。それが…………恋愛か」