「セクシーボイスアンドロボ」VOICE06

セクシーボイスアンドロボ VOICE06「ZI」
ゲストはりょう、白石加代子小木茂光ほか。

「今のままがそんなにいいと思っていないのに、その生活を壊したくないと思うのは、どうしてなんだろう。怒りのステーキは、まだ天井にへばりついたままだ」

絶対だから「ゼッタイ→ゼットアイ」か……まあそれはいいとして。
いやー、やっぱいいわー。「木皿さんだから面白い」「木皿さんじゃないからつまらない」なんてくだらない線引きはしたくないんだけど、それでもやっぱり力量の差をひしひしと感じた。ニコ(大後寿々花)の話、ロボ(松山ケンイチ)の話、そしてZI(りょう)の話と、並行して進んでいってるのにどれも綺麗に繋がっているのが凄い。メインのZIの話は、家で食事を取ってたら銃撃戦に突入→何故かある隠し通路→逃走、というまるでアニメというかあまりにも現実味の無い話なんだけど、逆にそれが良かったのかも。ニコの家の離婚騒動とロボの母親との関係がリアルだっただけに、こういう非現実性が際立ってるっていうか。米箱の蓋の裏に拳銃が張り付いてるのとかもその象徴かと。構成とかは一番良かったんじゃないでしょうか。個人的にこの話が一番かもな。ZIの家族構成も実は全員他人で、しかも母親と父親は殺す殺されるな関係だったというこれまた「ねーよwwww」なんだけど、妙に切なかった。大体このドラマの大元の設定自体が非現実的なんだから、こんなところでリアリティ求めちゃだめだよねえ。この設定っていくらでも現実的にできたっていうか、そういう話ってどこにでも転がってるからいかようにもできたと思うけど、それをしなかったことに脚本の上手さを感じる。ただあのペンライト、さすがにあそこでは泣けなかったけどね。集まったのが「カン様にメッセージを送ろう!」っていうのは良かったですけど。子役ももうちょっと良ければなー。あ、ZI役のりょうのカッコよさには痺れました、はい。久々にりょうの本領発揮って感じだったなー。


ニコの離婚騒動話も一見なんでもないような話に見えて、家族がそれぞれを思ってるっていうのもいいっすねー。カーネーションや牛乳瓶の蓋などの小道具の使い方も相変わらず絶妙。「金塊だと数える楽しみが無い」って言ってたマキ(麻丘ルリ子)が牛乳瓶の蓋の形にしてるのには笑った。まさかここへ繋がってくるとは。ラストの毎度お馴染みニコの台詞(プレゼント)も「家族と一緒にいたい」とかじゃなくて「見ていて欲しい」っていうのがなんかグッときた。
そしてロボ母・白石加代子さんも良かったです。「お前もほっといてもらいたかったんだな。自分だけの世界持ちたかったんだな」「死ななきゃそれでいい。死ぬまでロボットいじってろ!」名言だなあ。ロボがカン様の格好してるのがこれまた名台詞とのナイスコントラストというか。白石さんがカツラだったのにはちょっとビビりましたがwww


あーでも今回ちょっと演出が微妙でした?(毎度の事ながら偉そうだが)銃撃戦のシーンとか、例のペンライトのシーンとかちょっと荒削りっていうか、スローモーションのシーンとか「サヨナラ」を一字一字アップしたりしたのがなんとなくわざとらしく感じられたんだよね。あと子供がもうちょっと演技上手かったらなあ……と思った。まあ瑣末な事なんですが。
で、モロ師岡さんの回は放送未定、と。あー残念。せめて最終回前に昼か深夜にでも再放送してくんないかなあ。ってわけで来週は小林聡美もたいまさこともさかりえの最強トリオがゲスト。すっげー楽しみっす!

「怒りのステーキは、時間が経ってはがれ落ちた。時間が経てばほどけてしまうのなら、ほどけるまでの間、私はちゃんと家族を続けようと思う。本当はこう言いたかった。何もいらない。何もいらないからまだ私のこと……見てて欲しい」