「モノノ怪」化猫・大詰め

無駄に長いし画像もあるのでたたみます。


やっぱり「化猫」の名前をつけたのは間違いだったんじゃないかなーと。はっきり言って猫はほとんど関係無し、かなりこじつけっぽいのが気になった。ただ、前回の化猫とは180度違った話にしたのは逆にいいなーと思いました。似たような悲しい話じゃひねりがないもんね(話の展開自体はひねりがなさすぎだけど。もうちょっとひねってほしかったぞ)。前作の聖母のような*1珠生(鎌田梢)とはうって変わって、気が強く他の女を見下している女・節子(折笠富美子)っていうのが逆に人間臭くて良かったんじゃないかと。節子に限らず森谷(竹本英史)とかも突き落とした後に手が震えてたりとかしてたし。ただ、感情移入という点ではかなり微妙でしたけどね。そう考えると女という武器を使って自分を売り込もうとしたチヨ(ゆかな)や姑との確執を背負いつつ男と昼間っからいちゃつくハル(沢海陽子)という対比も効いてたのかも。このシリーズって女性が被害者で、その恨みが云々っていうパターンが多かったので、最終回は逆にそういう女の醜さを前面に出してきたのは面白いと思いました。(そういやチヨが働いてたカンカンカフェは昼はカフェ、夜は……みたいな店だったのかな)
ただ、お話としてはなー、結構微妙。さっきも書いたけど話自体にひねりが無さすぎるし、明らかに尺不足って感じがした。だって、「滅!」でED「君が〜いな〜いと〜♪」行っちゃうなんて……あれ見たとき素で「はぁ!?」と言ってしまいましたよ。やっぱり最終章なのに別の人が脚本書くっていうのは辛いと思うんだよね。せっかく変身シーンとかは凄く綺麗だったのに勿体無い……あそこの作画すげー気合入ってたよなあ。ま、最終回だからなのか知らないけど、今回は全体的に演出や作画は素晴らしかったですね。印象的なのが気絶した節子を森谷が突き落とそうとしたとき、後ろから見たらまるで強姦しているようなスタイルだったこと。もちろんあの場面で強姦なぞしていないんでしょうが、あれは「女としての節子を冒涜している」っていう隠喩なんだろうな、と勝手に解釈してみる。そしてその後襲い掛かってくる節子さんも怖い。猫目節子さんも怖い。
あと若干分かり辛かったのが、森谷が一瞬電車出発前に戻った事。あれは節子が少しだけチャンスを与えたってことでいいのかな(そのあときっちり罰受けてましたけど。他のみんなはあんな目に遭いつつ一応生きてたんだね……市長以外)。あ、そういえばあのシーンに小田島様いたんですねwこれわかんねーだろwww(分かりづらいけど、奥の青髭の人ですよん)


猫は可愛かったなあ。節子の怨念の媒体、なんて若干こじつけっぽいけどさ。猫に埋もれられる森谷が羨ましいっすよ。そして猫を撫でる薬売り(櫻井孝宏)も可愛かったです。これ明らかにファンサービスだろ。


折笠さんの演技は素晴らしかったですねえ。線路に落とされたとき、電車が迫ってくる描写が演出とともに声も怖かったですよ。なんか毎回言ってる気がするけど、声優さんは本当毎回凄かった。藤田さんと中尾さんの老若使い分けも凄かったし、田中さんと桑島さんの「萌えキャラばっかやってるわけじゃねーんだよ!」と言わんばかりの熱演も素晴らしかったです。
総合的に見ると、全部個性的な話で、「海坊主」が一番好きな人も居れば「のっぺらぼう」が好きな人も居る、っていう感じなのが良かったですね。ちなみに僕は「座敷童子」が一番好きかなあ。あとは優劣決められん。そしてayakashi版化猫と比べてる人がいたけど、僕としては「怪」と「モノノ怪」は完全に切り離して考えてることにしたので比べられません。だってストーリー展開も薬売りのキャラも変わってて、明らかに別アニメになってるんだもん。もちろん両方とも面白かったので満足なんですけどね。


で、最初「御久」で始まったこのアニメ。締めはこれ。

思わず「どういたしまして」と言ってしまった。偉そうだな僕。「終幕」とかじゃないことを考えると続編あり?(これで終わっても良いような気もするけどね)

*1:自分が絶食してまで猫にご飯あげちゃう