「わるいやつら」最終章

わるいやつら 最終章「最期に笑う女」
うーん、うーん、うーん……


何か、不満が残る終わり方だったなあ。というか僕が深読みしすぎてただけのような気も今更してきたのですが……うーん。
正直言って良かったのは大杉さんの戸谷(上川隆也)を問い詰めるシーンまでかなあ。「私まだ日付言ってませんよ」にはおぉーっと思ったんですけどねー。そしてあの豊美(米倉涼子)の写真には別の意味でゾクッとしました。首の締め跡撮るのは分かるけど、わざわざあんな髪の毛振り乱したホラーじみた写真にしなくても……大杉さんもゲスト的扱いだったなあ。裁判シーンには志賀さんや中丸さんも出てたし、最終回は脇が微妙に渋めでしたな。


裁判のシーンは途中で「もしや……」と思ってたら、思ったとおりの展開になっちゃいました。「豊美さんが殺されるとか言ってました」とか「戸谷先生の家から朝帰りしていた」とか「私はあの人と婚約を交わした覚えはありません」とか「あいつは悪い奴ですよ、私は最初っから気付いてました!」とか、やたら周りが戸谷の事悪く言ってるなあ……って思ったところに豊美の尋問になったし、「もしかして豊美、戸谷に味方するんじゃ?」なんて思ってたらまさにそのとおりに。まー結局は「落として上げる戦法」だったようですが。しかしラストシーンは意味深ですねえ。最後あの林から出てきた豊美はなんなの? まさか戸谷を殺して埋めた、ってこと? うーん、「視聴者のご想像にお任せします戦法」か。
ただ伏線ほっぽらかしはまずいでしょ? 豊美が失踪した時カップが置いてあったりしてたし、絶対病院内に戸谷のやった事を知っていて陥れようとしていた人間がいたと思ってたのになあ。まあ百歩譲ってあれは誰かが間違えて淹れちゃったのだとしよう。千歩ぐらい譲って豊美だと思われた死体もただの偶然で、死体がぐちゃぐちゃか何かだったせいで事務長(伊武雅刀)が豊美だと思ったとしよう。ただ最初の横武龍子の夫殺害事件はあれなんだったのさ結局? というか僕がただ深読みしすぎただけですか? 犯人は本当に戸谷で、ただ言い逃れするために「整腸剤」だって言ったって事?……しかし、ここまで矛盾点が多いとやっぱ納得いかないよなあ。うーん……せめて黒幕がもう1人いでもしたらだいぶ印象は違ってたんだろうけど。意外性を求めすぎたんですかねえ。とはいえ、全体を通して面白かったし、死んだと思っていた豊美がチセと組んで戸谷に復讐……というのが分かったときにはかなり興奮したので全体的な作品としてはおおむね満足です。


さて、これで松本米倉シリーズ最終章ということですし、悪女な米倉さんはもうそろそろ小休止でいいんじゃないでしょうか? 嫌いじゃないんだけどね、悪女な米倉。戸谷役の上川さんは最初はどうしても「いい人」のイメージが抜け切れなかったんだけど、回を増すごとに見事に「悪い男」になっていってましたねー。ま、下見沢役の北村さんなんて立ってるだけで「悪い男」っぽいんですがね(褒め言葉です)。伊武さんは絶対何かあると思ったんだけどなー。ただのコメディ要員だったのか? 飄々としていると見せかけて実は……かと思ってたらその裏をかかれた。つまり裏の裏をかかれた、表をかかれたって事ですな(意味が分からん)。あ、あと、久々に悪い&色っぽい余貴美子さんが見れて良かったです。名古屋弁も地元の人から見るとどうか分からないけど、僕の耳には結構心地好かったし。彼女の声が好きっていうのも大きかったかも。